「アグレッシブ・ベースボール」は不変 創志学園で進める門馬敬治監督のチーム作り
昨年8月に創志学園の監督就任…5か月後、最初の練習で選手に想いを伝えた
アグレッシブ・ベースボール――。
このフレーズを聞けば、高校野球ファンの多くが、「東海大相模」の名を思い浮かべるはずだ。名付けたのは、1999年から2021年夏まで指揮を執り、日本一に4度輝いた門馬敬治監督。グラウンドのライトネットには、「Aggressive Baseball」の横断幕が掲げられていた。
2022年8月に、創志学園(岡山)の監督に就任。5か月後、新年最初の練習で胸に秘めていた想いを選手たちに伝えた。
「東海大相模の時から続けていますが、年明けの練習で、チームが進むべき道を言葉にして伝えています。パソコンで打ち込んでプリントアウトしたものを全員に渡すことがあれば、しばらく経ってから、中心選手だけに渡すこともあります。今年は、想いを共有するために全員に渡しました。目指すべきスローガンとして記したのが、『アグレッシブ・ベースボール』。創志学園に来てから、しっかりと言葉にしたのは初めてです」
門馬監督が、この言葉に出会ったのは2000年代の中盤まで遡る。選抜大会の甲子園練習で日本生命のグラウンドを使用した時に、社会人の名門が掲げていたスローガンが『アグレッシブ・ベースボール』だったのだ。当時、門馬監督が重視していたのは守備を中心とした戦いだったが、夏の神奈川を勝ち抜けないでいた。何かを変えなければいけない。そんな気持ちでいたからこそ、言葉が心に染みた。
「打つことだけでなく、守ることも、走ることも、すべて攻撃的に。気持ちの面でも後ろに引かず、常に前へ攻めていく」。師である原貢氏が常々口にしていた、『攻撃は最大の防御なり』と重なるところもあった。