マー君がメジャーで成功するための二つの鍵――“ストレート”と“制球”
米国記者の的確な分析
マー君は本当にメジャーでも活躍できるのか。ヤンキースと7年総額1億5500万ドル(約160億円)の超大型契約を結んだことで、田中将大投手(25)を見る専門家やメディア、ファンの目は早くも厳しくなってきている。では、メジャーリーグでも結果を残すために必要なものは、いったい何なのだろうか。
米ケーブル局ESPN(電子版)のデビッド・ショーエンフィールド記者は、ヤンキースとの契約が決まる直前の今月20日付の記事で、田中の投球について詳しく解説している。動画サイトYouTubeで投球映像を見て書かれたものだというが、その内容は的確で、実に興味深い。成功の鍵は、やはり「ストレート」ということになりそうだ。
参考にされているのは、昨年3月に行われた第3回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)2次ラウンドのキューバ戦での投球だ。田中はこの試合に2番手で登板し、2回を投げて3安打1失点を喫しながら、6つのアウトをすべて三振で奪った。ボールの出所が見えにくい投球フォームは1つの大きな特徴として挙げられている。
ただ、ショーエンフィールド記者は最初にはっきりと記している。「彼はダルビッシュではない」と。もっとも、ダルビッシュ有(レンジャーズ)はメジャーのどの投手よりも素晴らしいため、その表現はフェアではないとも指摘。そして、田中の各球種を以下のように分析している。
まずは速球。平均91~94マイル(約146~151キロ)で、直球に見える。いわゆるツーシームのような動くボールではないということだ。この見方は正しいと言えるだろう。