“無傷”の西武平良は「何位かわからない」 負けない男が見つめる「自分の仕事」
今季先発4試合で3勝0敗、防御率1.73、QS率100%の成績
■西武 3ー1 日本ハム(3日・ベルーナドーム)
西武の平良海馬投手は3日、本拠地ベルーナドームで行われた日本ハム戦に先発し、7回115球8安打1失点で3勝目(0敗)を挙げた。チームは3-1で競り勝った。今季から先発に転向した平良は、1点リードで迎えた7回に無死満塁のピンチを無失点でしのぐなど、窮地に追い込まれるほど1段ギアを上げて真価を発揮。そこに先発投手としての適性が見えた。
「いつも通りと言えばいつも通りですが、球数を減らそうと思いながら、なかなかストライクが入らずに苦しい投球が続きました。もっと楽にいけるように頑張りたいです」と平良が苦笑混じりに振り返った通り、初回先頭打者の松本剛外野手にいきなり死球。2番の谷内亮太内野手にも中前打され、無死一、二塁とされながらも後続を断った。
4回には先頭の万波中正外野手に右中間フェンスの直撃の二塁打を浴び、続く野村佑希内野手が放った飛球に対し、味方の中堅手・西川愛也外野手がダイビングキャッチを試みるも及ばず、後逸して三塁打となる間に先制点を許した。ただ、なおも続いた無死三塁のピンチで追加点を許さなかったことが、最終的に勝利につながった。平良は「1点取られても、しっかり切り替えて、その後を0点で抑えることが大事。そういうところが先発だと思います」とうなずいた。
注目は味方打線が逆転に成功し、2-1とリードして迎えた7回だ。二塁打、内野安打、四球で無死満塁のピンチを招き、打席には昨年の首位打者である松本。ここでグイッとギアを上げた。カウント1-1から外角の鋭いスライダーで投ゴロに仕留め、本塁に送球。一塁もアウトになり、併殺が完成した。なおも2死二、三塁で続く谷内に対し、2球目(110球目)と4球目(112球目)が、この日最速タイの156キロを計測した。結局カウント2-2から、外角のスライダーで泳がせて中飛に仕留め、この回を無失点で乗り切った。
松井稼頭央監督は「粘りながら投げてくれた。ピンチはありましたが、そこでギアをもう1段上げるところが素晴らしかった。すごいなと思いました」と感嘆するばかり。ただし平良本人は、「ランナーがいると、なんだか球速が出る。ギアを上げると言うより、自然に力が入っている感じなので、意識して先頭打者からそういう投球ができるように頑張りたいです」と課題に代えた。115球は、先発デビュー戦の4月2日オリックス戦と並ぶ自己最多タイ。疲れを感じさせないスタミナと、オートマチックなギアチェンジは、先発投手として願ってもない資質だ。