野球につながる“語彙力” 学習塾を併設…中学硬式チームが現代文を重視する理由

講義を受ける「前橋中央硬式野球倶楽部」の選手たち【写真:片倉尚文】
講義を受ける「前橋中央硬式野球倶楽部」の選手たち【写真:片倉尚文】

前橋中央の選手は週に2度“補習”…現代国語を重視する

 群馬・前橋市のNPO法人「前橋中央硬式野球倶楽部(以下、前橋中央)」は、中学硬式で「前橋中央ボーイズ」と「前橋ボーイズ」の2チームを編成する。体の成長スピードに合わせてチーム分けし、子どもたちの出場機会を創出。将来を見据えた選手指導に定評がある。室内練習場の隣には“学習塾”も併設。野球にもつながるという語彙力向上を重視し、指導している。

 前橋中央の選手たちは週に2度、講師から“補習”を受ける。2時間授業の内、最初の1時間は現代国語の長文読解にあてるという。前橋中央の春原太一代表が重視しているのは語彙力向上。近年は母国語を使いこなせない選手が多いと痛感している。

 例えばグラブをつけて壁当ての指導をしている時。「それを取って」と言った際に、近くにグラブ、ボール、バットなどがあると、「それ」がボールを意味していると瞬時に理解できる子どもは意外に少ないという。

「“それ”が何を指しているのか。『そのボールを取って』と言わないと理解できない子もいます」。察して感じて行動、発信できるようになることは、チームプレーである野球に必要な要素。しっかり読めなければ、相手の思いを察することも難しい。その土台作りとして、長文読解を重視している。

「文章を読み込ませて、辞書を持って答えを探させる。自分の言葉で発信できる選手になってほしいです」と根気よく机に向かわせている。

(片倉尚文 / Naofumi Katakura)

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