歓喜のエ軍ロッカーで無表情の大谷翔平 3戦連発35号&サヨナラも…本当に求めるもの

ヤンキース戦に出場したエンゼルス・大谷翔平【写真:ロイター】
ヤンキース戦に出場したエンゼルス・大谷翔平【写真:ロイター】

7回に同点の35号2ラン、4打数3安打2打点でサヨナラ勝ちに貢献した

■エンゼルス 4ー3 ヤンキース(日本時間18日・アナハイム)

 エンゼルスの大谷翔平投手は17日(日本時間18日)、本拠地・ヤンキース戦に「2番・指名打者」で先発出場し、2点を追う7回に3試合連発となる35号2ランを放った。4打数3安打2打点で打率.306。チームは延長10回に代打・ステファニックの左前適時打でサヨナラ勝ちした。ワイルドカード進出圏内へ5.5ゲーム差。なんとか踏みとどまった。

 会話ゼロで静まり返っていた昨日とは一転、歓喜に沸くエンゼルスのクラブハウス。ただ、大谷は帰宅する準備バッチリだった。白のTシャツと帽子を後ろ向きに被り、ポツンと椅子に座る。そして無表情。サヨナラ打のステファニックとサイスがグータッチをして喜び、興奮したネトはまだユニホーム姿だった。だが、同点弾のヒーローだけはクール。どんなに劇的な勝利でも1勝は1勝――。そう言わんばかりだった。

 ここのところ、エンゼルスのクラブハウスは試合前もどんよりとしている。巨大なテレビで流れるMLBのニュース番組も大谷のトレード移籍報道ばかり。「オオタニは勝てるチームを求めている」「トレード移籍先の最有力はヤンキースだ」。どのメディアだって先読みするのが常で、こんな報道ばかりだ。だが、最近の大谷を見ていると、本当に求めているものは何かが伝わってくる。「このチームで優勝したい」。シーズン前から繰り返してきた言葉だ。

 エンゼルス6年目。チームではトラウトに次ぐ古株で、年下の選手も目立つようになった。この日、ネビン監督は「彼は勝つことを望んでいる。表情を見たら分かる。ここで勝ちたいと思っている」と二刀流の気持ちを代弁した。何が一番大事なのか、グラウンド内外でどんな行動を取るべきなのか。大谷の一挙手一投足は、全てを物語っている気がする。

(小谷真弥 / Masaya Kotani)

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