通算140発・佐々木麟太郎の現状は「鈍いの一言」 4年ぶり聖地へ…期待される大爆発

盛岡誠桜戦に出場した花巻東・佐々木麟太郎【写真:羽鳥慶太】
盛岡誠桜戦に出場した花巻東・佐々木麟太郎【写真:羽鳥慶太】

花巻東・佐々木麟太郎は盛岡誠桜との準々決勝で2打数無安打

 第105回全国高校野球選手権の岩手大会は22日、盛岡市のきたぎんボールパークなどで準々決勝を行い、高校通算140本塁打の佐々木麟太郎内野手(3年)を擁する花巻東は盛岡誠桜を8-1(7回コールド)で下し、準決勝に進出した。佐々木麟は2試合ぶりにスタメン復帰したものの、2打数無安打。父でもある佐々木洋監督は、現状をどう見ているのだろうか。

「3番・一塁」で先発した佐々木麟は、初回の第1打席で空振り三振、4回先頭の第2打席は一邪飛に倒れた。花巻東が打者9人を送った5回の攻撃は捕手の打撃妨害で出塁し、6回には申告敬遠で歩かされた。今夏初アーチはいまだ見られない。

 20日の水沢商との3回戦は、背中の違和感からスタメンを外れ、代打出場にとどまった。2試合ぶりの先発復帰だ。試合前にはスタンドからの呼びかけに「大丈夫です」と笑顔で答える姿も見られた。

 ただ、佐々木監督は佐々木麟のスイングを見て「見ての通り、鈍いの一言です。キレも動きもこれから上がってこないと」と本調子にはまだ遠いとみている。フルスイングでのファウルも多く、仕留め切れていないというのだ。

背中の違和感で2試合ぶりのスタメン…巨体を使い切るにはもう少し時間が

 岩手大会の直前には、2週間ほど試合出場ができない時期もあったという。何より身長184センチ、体重113キロの巨体。指揮官は「万全ではないですね。しばらく動けていないし、練習もできていなかったので。ああいう体形ですから、キレが出てこないと」と、瞬間的なスピードがまだまだ足りないとする。

 幸い、ここからの試合は休養日をはさみながらの1日おき。22日も学校に戻りしだい、練習をするという。急ピッチで修正して準決勝、決勝に備えていく。

 試合は、佐々木麟が敬遠された直後に「4番・二塁」の千葉柚樹内野手(3年)が2点適時打を放つなど、周囲がカバーしての快勝。「攻撃は徹底できて、非常に良かったです」とする佐々木監督も「あとは麟太郎が調子を戻してくれれば、活発になるでしょう」と主砲の復調が、2019年以来となる夏の甲子園には欠かせないとする。

 佐々木麟にとっては、夏の聖地に立つ最後のチャンス。史上最多とされるアーチを描いてきたスラッガーは、どのような成長カーブを見せてくれるだろうか。

(羽鳥慶太 / Keita Hatori)

RECOMMEND

KEYWORD

CATEGORY