西武中村を復活させるのは“炭谷バット”!? 「念を込めてくれたから打てた」
8試合ぶりスタメン起用で連発も「打ててよかった」と淡々
■西武 3-3 オリックス(27日・メットライフ)
オリックス先発・金子千尋を打ちあぐねていた西武打線を救ったのは、6月15日以来8試合ぶりにスタメン起用された“悩める主砲”の2発だった。
0-2で迎えた5回裏、先頭打者で金子がカウント1-1から外角に投じた142キロの直球を独特の力感のないスイングでとらえ、ライトスタンド奥のコンコースまで届く特大の第2号ソロ。6月9日以来となる久々の一発で1点差に詰め寄ると、T-岡田の本塁打で再び2点差とされた7回、今度は1死一塁で金子の初球、チェンジアップを完璧にとらえ、第3号同点2ランを、西武ファンで埋まる左越えに放り込んだ。
貴重な同点アーチとなった今季初の“おかわり弾”にも「打ててよかったです」と、中村らしい淡々としたコメント。実は、2本の“おかわり弾”ともに「練習から使っていた」という、炭谷のバットを借りていた。「銀次朗が念を込めてくれたから打てた」と、バットの持ち主への感謝を忘れなかった。
辻監督も「すごかったよね。(1本目の)ライトはあそこまで飛ばすし、(2本目の)レフトの打球もすごかった」と絶賛。「いろいろ考えてやっているね。ちょっとづつ良くなってきている」とチームを支えてきた主砲の復活を歓迎した。
2発3打点とこの日のチーム全得点をたたき出した中村の奮闘も、延長12回、4時間37分の熱戦は引き分け。それでも、「今日はリリーフ陣がフラフラしながらも踏ん張ってくれた。特に10回以降は良く頑張ってくれた」と辻監督は10回を抑えた大石、そして2軍調整から復帰後初マウンドながら11回、12回を無失点で締めた平井の粘投をたたえた。
2位・日本ハムがソフトバンクにサヨナラ勝ちし、ゲーム差0.5と詰め寄られたが、「並んだこともあるしね。残り試合もまだ半分以上ある。気にはしていない」と語った指揮官。28日先発の多和田はここ4試合白星に見放されているが「あまり慎重にならず、大胆に投げて欲しい」と期待を込めた。