期限が15日なら…大谷翔平はトレードされていた? 米紙が問題視する“市場の停滞”

エンゼルス・大谷翔平【写真:ロイター】
エンゼルス・大谷翔平【写真:ロイター】

トレード期限は「8月15日に後ろ倒しすべきだ」…市場の活性化を求める

 ジャイアンツ地元紙「サンフランシスコ・クロニクル」は「MLBがなぜトレード期限を(米国東部時間の)8月15日に後ろ倒しすべきか」との見出しで、デッドラインの“先延ばし”を訴えた。記事では、ジャイアンツの編成本部長ファーハン・ザイディ氏の意見を紹介。今季のトレード期限では、予想以上に売り手に回る球団が多かったことから、「トレードに出る選手たちが少なくなった」と嘆いているという。

 これに対して記事を執筆したジョン・シェイ記者は、「当然のことだ。まだシーズンは2か月残っていた」とし、「8月1日に白旗を揚げるのは時期尚早に思える。特に今はMLBがプレーオフ枠を増やして全チームの4割がプレーオフに進出できる」と言及。そのことから「トレード期限は8月15日に後ろ倒しすべきだ」と主張した。

 主に7月31日となっているトレ―ド期限は、現在はコミッショナーの裁量で毎年7月28~8月3日の間で変更が可能となっている。しかし、現行ルールが導入された1986年当時はまだプレーオフ進出チームが4チームだった時代で(現在は各リーグ6チームずつ、合計12チーム)、当時は買い手、売り手のどちらに回るかという判断は7月末で十分だったとしている。そのため、記事では現在のルールについて「時代遅れだ」と主張した。

 特に今季は、球界のトップスターであるエンゼルス・大谷翔平投手の動向が注目された。結果的にエンゼルスは、プレーオフ進出を狙って大谷を保持し、買い手に回ったことで「ドキドキ感がほとんどなくなった」と指摘。ふたを開けて見ればチームは8月に入って失速し、プレーオフ進出確率もきわめて低い状況となった。同記者は「トレード期限が8月15日だったら、エンゼルスはオオタニを動かすことを間違いなく考えただろう」とみている。

 さらにトレード期限を遅らせるべきもう1つの理由として、「ドラフトとの期間が近い」ことを挙げる。2020年までは6月上旬に開催されていたが、2021年からは7月のオールスター期間に行われるようになった。ドラフトからトレード期限までの間隔は1か月もなく、チームは十分な準備ができない。「残り6週間の時期にトレード期限を持ってきた方が、もっと選手たちが動く可能性がある」と主張した。

(Full-Count編集部)

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