“指先の痺れ”に泣いた最速151キロ右腕 登板なく敗退も…甲子園でのリベンジ誓う
世代屈指の最速151キロ右腕・平野は3試合連続登板せず
選抜8強へ導いた右腕が、最後の夏のマウンドに立つことはなかった――。第105回全国高等学校野球選手権大会は16日、阪神甲子園球場で大会10日目の4試合が行われ、第4試合は専大松戸(千葉)が土浦日大(茨城)に6-10で敗れた。
最速151キロ右腕のエース・平野大地投手(3年)はコンディション不良のためこの日も登板しなかったが、4点ビハインドの9回に1死一塁の場面で代打として出場。持丸修一監督は「あの子はご存知の通りスイングスピードが凄いんですよ。代打で出てホームランを打ったり」と期待を込めたが、捕邪飛に倒れ、反撃の一打とはならなかった。
7月から悩まされている指先の痺れに泣かされた。試合終盤にはブルペンで準備したが、制球が定まらず初戦から3試合連続で登板なし。「どうしても投げたくて……いつでもいける心の準備はしていたんですけど……」と声を震わせた。8月に入ってから持丸修一監督とフォームを見直すなど試行錯誤したが、「100%の状態に調整できなかった自分の力不足です」と目を赤らめた。
プロ志望届については「今の力では到底戦えないと思うので、4年間しっかり力をつけてから挑戦する形で考えています」と語った。まずは、「しっかり投げ込んでいた」という身体を休めながら指先の回復を優先する。
だが、いつかまた聖地のマウンドに立つ。「甲子園はいい場所だなと思って……投げなかったからこそ、プロに行って、もう1回帰ってきたいと思える場所でした」と前を向いた。さらに腕を磨き、いつか必ず雪辱を果たす。
(喜岡桜 / Sakura Kioka)