土浦日大、快進撃の影にある“木内イズム” 全国V経験の指揮官が語る名将からの学び

土浦日大が八戸学院光星に9-2で勝利して4強進出【写真:荒川祐史】
土浦日大が八戸学院光星に9-2で勝利して4強進出【写真:荒川祐史】

初の4強・土浦日大、指揮官は“木内イズム”を継承する1984年夏V戦士

 第105回全国高等学校野球選手権記念大会は19日、阪神甲子園球場で準々決勝の4試合が行われ、第2試合は土浦日大(茨城)が八戸学院光星(青森)に9-2で勝利した。4試合で45安打、3本塁打の猛攻で、春夏通じて初の4強進出。小菅勲監督は「(大会が)終わる瞬間まで化ける可能性がある」と、選手たちのさらなる覚醒に期待した。

 この日も11安打9得点と高い攻撃力が光った。3回に先制すると、5番・松田陽斗内野手(3年)の左越適時打などで一挙3得点。6回には1死一、三塁で鈴木大和内野手(3年)がスクイズを決めると、さらに2番・太刀川幸輝外野手(3年)による走者一掃の右中間適時打などで突き放した。9回には松田が今大会2本目の本塁打を放ち勝負を決した。

 小菅監督は名将・木内幸男監督率いる取手二(茨城)で、1984年夏に全国制覇を経験している。戦術を重視し、猛練習で鍛え上げられた強豪校を退ける采配が「木内マジック」と称された恩師について、「あの人は天才です。(僕には)閃いて、マジックなんてないです。でも、選手のツキを大切にされる方だったので、この言葉が大事だと感じる。力を鍛えることは大切だと思います」と、運も味方にすることを唱えた“木内流”を継承している。

 もちろん、すべて運任せではない。6回に5点を挙げた要因は「各バッターに迷いがないこと」と語る。「日常の練習は基礎・基本を大切にして、8割以上は基礎と基本です。冬には自分の殻を破るような練習をしていて、すべてが自信になっていると思います」と胸を張った。

 限界突破のため、冬には朝4時に起床して筑波山(標高877メートル)を登ったり、基礎練習や実戦練習をする耐久トレーニングも行う。1本塁打を含む5打数4安打を放った松田は、「あれ(耐久トレ)よりつらいことはないと思うので、(どんな状況においても)まだ行けるっていう心の余裕ができています」と笑顔をみせた。次戦も運を味方につけ、初の天下取りへ突き進む。

(喜岡桜 / Sakura Kioka)

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