マスク越しの“残像”は大谷翔平…21歳の剛球は「過去1番」 二刀流を知る捕手が語る衝撃
オリックス・石川亮捕手が振り返る、大谷翔平と山下舜平大の凄み
マスク越しに受けた“2つの衝撃”を振り返った。オリックスの石川亮捕手は、同僚の21歳・山下舜平大投手の直球を受け、驚きを隠しきれなかった。主に直球とカーブの2球種でマウンドに君臨する新星に「直球は……マジで過去1番(受けた投手の中で)良い」と絶賛した。
今季からオリックスにトレード移籍した石川は、2月の宮崎春季キャンプで初めて18.44メートルの距離で山下の剛球を受けた。率直な感想は「山下舜平大は何歳ですか?」だった。目を見開いた理由は「どんなに球の速い助っ人投手よりも良いと思ったんです。躍動感、キレ……。受けていて怖かったので」と投球軌道を回想した。
「20歳? 21歳? 山下舜平大は完成の途中段階です。まだまだ伸びていくと思います。(大谷とは)公式戦で僕は(バッテリーを)組んだことがないですけど、練習試合やオープン戦での経験はあるので、その時の記憶がパッと頭にきましたね。翔平さんってめちゃくちゃ器用なので、変化球も凄かった」
日本ハム在籍時に同僚だった、1学年上の大谷翔平投手の名前が浮かぶほどだった。最速160キロを誇る山下の直球は「1発で捉えられない。(投手の)誰にでもできることではない」と表現する。
マウンド上での雰囲気についても「誰が見ても風貌が(大谷に)似ている。それに、野球以外のところも似ている部分がある。肝が据わっているというか、度胸満点な感じですね。(共通点は)試合前に不安要素のある言葉は一切、出てこない。翔平さんは、早く投げたいとずっと言っていた。僕も近くで見ていたので、すごく勉強させてもらいました」と深くうなずく。
山下は高卒プロ3年目の今季、3月31日にベルーナドームで行われた西武との開幕戦でプロ初登板初先発のマウンドに立つなど、16試合に登板した。9勝3敗、防御率1.61の成績を残し、新人王の候補にも上がる。
現在は腰椎分離症のため戦列離脱中で、大阪・舞洲の球団施設でリハビリを進めている。さらに大きく羽ばたくための準備期間――。スケールの大きな21歳をマスク越しに、爽やかに見守る。
(真柴健 / Ken Mashiba)