甲子園V投手と比較…重圧に涙止まらず 最速154キロ右腕、柳田と真っ向勝負で得た自信

徳島インディゴソックス・白川恵翔【写真:喜岡桜】
徳島インディゴソックス・白川恵翔【写真:喜岡桜】

名門・池田高校出身…最速154キロの“阿波の金太郎2世”徳島IS・白川恵翔投手

 子どものときに描いた“プロ野球選手”の夢が叶うドラフト会議。四国アイランドリーグplus・徳島インディゴソックスに所属する最速154キロ右腕・白川恵翔投手は、一時代を築いた高校野球の名門・池田から、最短1年でNPB入りできる独立リーグの道へ進んだ。しかし、今年で入団4年目。「もちろん焦ってますよ」と言うと、空を見上げた。悲願の指名を受け、来季はもう一段上のスタートラインに立ちたいと願っている。

 高校1年の2017年夏、力強いプレースタイルから、1983年に夏春連覇を達成した同校OBの水野雄仁氏(巨人)の再来と評され、「阿波の金太郎2世」候補として注目を浴びた。5番打者として出場した高校3年の春季県大会では、5年連続で甲子園出場を果たしていた鳴門戦でバックスクリーン弾も放った。

「プレッシャーはありましたよ、そりゃ。水野さんは甲子園優勝投手ですが、自分は甲子園すら出ていない。それで“阿波の金太郎”なんて呼ばれていいんかなって」。前述の鳴門戦前も、学校のグラウンドでの練習では思うように打球が飛ばず、次第に胸が締め付けられ、気付けばはらはらと涙を流していたという。それだけの重圧と戦ってきたのだ。

 夢のNPB入りへ、独立リーガーになった後も意欲的に成長材料を探した。「水野さんに限らずいろんな選手の動画を参考にしています。考え方が参考になると思ったらプロの2軍の選手からも取り入れますし、草野球の動画も見ます」。その貪欲さで、右肩上がりに成長を遂げてきた。

徳島インディゴソックス・白川恵翔【写真:喜岡桜】
徳島インディゴソックス・白川恵翔【写真:喜岡桜】

飛躍を象徴する柳田との直球対決…入団4年目で150キロの大台へ

 徳島入団2年目には開幕投手に抜てきされ、高知に在籍していた藤井皓哉投手(現ソフトバンク)と熱い投げ合いを繰り広げた。3年目には22試合に登板して7勝2敗、防御率1.83をマーク。ソフトバンク3軍との定期交流戦では、故障から復帰を目指していた柳田悠岐外野手と対決。当時の最速149キロのストレートで真っ向勝負を挑み、2打席連続でショートゴロに打ち取った。「あれでストレートに自信が持てました」と手応えをつかんだ。

 今季はチーム内にドラフト候補投手が多数在籍していることもあり、登板機会が減ったものの、ストレートはさらに球威を増した。昨オフにジャンプボックスを使ったトレーニングで瞬発力を強化したことが生き、3月の西武とのオープン戦で自己最速を150キロに更新。さらに、シーズン中に154キロまで伸ばした。

 できることは全てやり尽くした。「手応えは4年間で一番ありますよ」と、どっしりと構える。山あいの町で生まれた右腕は、今年こそNPBの“大海”へと羽ばたき、レジェンドOBと同じ景色を見ようと意気込んでいる。

【実際の映像】ダイナミックな投球フォームは必見! 三振の山を築く四国IL徳島・白川恵翔

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