古田敦也氏も感服「大人は無理と感じるかも」 3年前の忘れ物…叶えた悲願の“甲子園”

「あの夏を取り戻せ」のアンバサダーに就任した古田敦也氏【写真:あの夏を取り戻せ実行委員会提供】
「あの夏を取り戻せ」のアンバサダーに就任した古田敦也氏【写真:あの夏を取り戻せ実行委員会提供】

2020年の高3球児が甲子園に集まる「あの夏を取り戻せ」のアンバサダーに古田敦也氏が就任

 2020年に新型コロナウイルスの感染拡大で、夏の甲子園大会が戦後初めて中止となってから3年。当時高3だった球児たちが甲子園球場に集まり、29日から3日間「あの夏を取り戻せ~全国元高校球児野球大会 2020-2023~(以下「あの夏」)」を開催する。このほど、大会アンバサダーに元ヤクルト監督の古田敦也氏が就任した。

 同大会のアンバサダーは、前阪神監督の矢野燿大氏、東京・早実高時代に“大ちゃんフィーバー”を巻き起こした荒木大輔氏、元ヤクルト外野手の上田剛史に次いで4人目。もっとも、古田氏はこれまでも肩書こそ付いていなかったが、今年5月18日に行われた最初の記者会見にいち早くゲストとして出席するなど、大会のプロジェクトを後押ししてきた経緯がある。

 2020年の夏の甲子園中止は、2015年以降テレビ朝日系列「熱闘甲子園」のキャスターを務めてきた古田氏にとっても、忘れられない出来事だ。「この大会に3年間の青春すべてをぶつけていて、甲子園に出るために高校を選んだ人もいると思う。当時のコロナウイルスの状況を見るとしようがない決断ではあったが、本当に残念だった」と回想している。

 古田氏自身は、兵庫・川西明峰高出身で「兵庫県だったので(甲子園に)馴染みは結構ありましたが、強豪校ではなかったので、感覚で言うと、甲子園は観に行くもの。自分が出るものではありませんでした」と苦笑。高3の夏の大会で敗退後、甲子園へ同県代表・市立尼崎高の試合を観に出かけ、同い年で後にヤクルトでチームメートとなる池山隆寛氏のプレーを目の当たりにしたそうだ。

 それだけにプロ入り後、初めて聖地の土を踏んだ時には「感動して外野を走り回った」とか。「きれいな芝生、グラウンドから見るスタンドの様子を含め、最高の球場だと思う。多くの人に甲子園に立ってもらいたい」と胸の内を明かしている。

目標は観客1万人動員「気持ちが伝わる大会になればいい」

「あの夏」には、2020年に甲子園大会の代替として各都道府県が行った独自大会の優勝校など42チーム(元球児約800人)が参加。29日に甲子園で午前8時から出場チームのシートノック、11時50分から入場行進、開会セレモニー、特別試合2試合などを行い、翌30日と12月1日には兵庫県内の球場に分かれて交流試合を戦う。

 2020年当時に東京・城西大城西高の野球部員だった大武優斗さんが昨年、発起人としてゼロから大学生のボランティアなどによる「あの夏を取り戻せ実行委員会」を立ち上げ、企業の協賛を募り、クラウドファンディングも実施して、とうとう実現に漕ぎつけた。古田氏は「若者の力でこのプロジェクトを立ち上げたと聞いて、とてもいい話だと思った。大人は無理だと感じるかもしれないが、若者のやる気、情熱を武器にやり遂げてほしいと感じた」と共感。「気持ちが伝わるような、いい大会になればいい」とコメントしている。

 同大会は、入場行進などを含め観覧無料。また「スカパー!」では全試合を無料放送、無料配信する。開催まであとわずかとなり、実行委員会は観客1万人動員を目標に掲げている。

【あの夏を取り戻せ! クラウドファンディングはこちら】
https://ubgoe.com/projects/444/

(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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