打撃で飛距離を伸ばすコツは? 名参謀が指南…バットスピードは「“深い”ほど速い」

野球教室で打撃指導をする松井優典氏【写真:間淳】
野球教室で打撃指導をする松井優典氏【写真:間淳】

3球団でヘッドコーチなどを歴任の松井優典氏…現在はさいたま市で「塾長」

 野村克也氏の参謀役が飛距離を伸ばすヒントに挙げたのは、「ジェットコースター」だった。ヤクルト、阪神、楽天でヘッドコーチや2軍監督などを歴任した松井優典氏が2日、さいたま市で開催された野球教室で打撃を指導。参加した小学生に、トップを深く取る動きを実演した。

 監督通算1565勝の名将・野村氏の参謀役として知られ、選手の発掘や育成に尽力してきた松井氏は現在、さいたま市で野球スクールなどを運営するNPO法人「ファイアーレッズメディカルスポーツクラブ」の塾長を務めている。この日は「ファイアーレッズ」が主催する「野球教室&肩肘検診」で、打球を遠くに飛ばすコツを解説した。

 松井氏は打撃をジェットコースターに例える。ジェットコースターは下から上がっていき、最も高い位置に到達したら一気に下がっていく。下がり切ったところで最もスピードが出る。

 打撃も同じように、トップの位置が深いほどバットが加速し、スイングが一番速くなるポイントで投球を捉えれば飛距離が出るという考え方だ。松井氏は素振りやティー打撃をする時に、ゴルフのようなスイングで2度、勢いをつけてからバットを振る練習を子どもたちに勧めた。

バッティングの安定感に関係する「目線のブレ」

 もう1つ、打撃のポイントに挙げたのが「目線」だ。松井氏は「打撃で一番大事なのは目。どんなに良いスイングをしても、目隠ししたら投球を打ち返せない」と目の重要性を強調した。

 実際に、プロ野球選手でも体力的に問題はなくても、目の衰えでパフォーマンスを落として引退するケースも少なくない。松井氏は子どもたちのスイングをチェックし、「目をキョロキョロさせてスイングしないこと。それから、投球がバットに当たるところも見ないように」とアドバイスした。

 目線が動くと、頭や体がブレる。力がロスしたり、バットの芯で捉える確率が下がってしまったりするという。松井氏は「バットに投球が当たる少し先を見て、目線を動かさずにスイングすると打撃は良くなる」と伝えた。

 小学生に専門用語を使っても理解させるのは難しい。イメージしやすい言葉を使った松井氏の説明に、子どもたちはうなずいていた。

(間淳 / Jun Aida)

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