父はプロ審判員…好打の小6は「まるで内川」　元虎外野手も絶賛する“打撃の工夫”

阪神タイガースJr.の背番号「6」…攻守でけん引役となる土山碧斗選手

　今年も26日から「NPB12球団ジュニアトーナメント KONAMI CUP 2023」が、神宮球場と横浜スタジアムで開幕する。リーグ連覇を狙う阪神タイガースJr.で注目を集めるのが、背番号「6」を背負う土山碧斗くん。柴田講平監督も「ケースバイケースで打撃を変えることができる。ゆくゆくは高いレベルを目指していく選手」と絶賛する。

　身長165センチ、46キロの右投右打。主なポジションは遊撃手だが、所属チームの「甲子園スターズ」では主将を務め、投手としても活躍する二刀流だ。俊足を生かした広い守備範囲と強肩が武器で、打撃では一発長打と広角に打ち分ける技術も持ち合わせている。

　柴田監督が最も驚いたのは、状況に応じ打撃スタイルを変化させる点だ。「タイプ的には横浜、ソフトバンクなどでプレーした内川（聖一）さん。打撃の工夫が素晴らしい」。得点圏に走者がいればポイントゲッター、先頭打者なら出塁を最優先にし四球も選ぶ。豪快に引っ張る打撃を見せれば、進塁打など逆方向への打撃も見せることもあるという。

　守備面でも「当たり前のプレーを当たり前にやる。それが一番難しいのですが……」と、堅実さに加え、個の能力で押し切るプレーも可能。攻守でチームの中心選手として期待をかけている。

父はプロ野球審判員・剛弘さん…助言をもとによりハイレベルな練習に

　土山くん自身も「自分に何を求められているかを考えています。状況によって変わってくるので、そこに対応していけるように」と語る。選抜チームでプレーできることに喜びを感じており「1プレーヤーとして、どこまでできるか。所属チームでは色々考えることはあるけど、ここではプレーだけに集中できる。レベルも高くて勉強になります」。

　父・剛弘さんは、プロ野球審判員。通算1000試合を超える出場数を誇り、数々の一流選手たちのプレーを目の当たりにしている。「プロの二遊間は1球ごとにコミュニケーションをとっているよ」とアドバイスを受け、より意識の高い練習を行うようになったという。

　結果が出ず、落ち込みそうになった時も「諦めるのは簡単。つらい時にどういう姿を見せるか」と発破をかけられ、自らに厳しさを求めた。小学生とは思えない“野球脳”を持ち、貪欲に練習にも取り組む。本番に向けては「チームとして優勝。個人的にはノーエラー、4割を打ってMVPを取りたい」と、主役に躍り出ることを誓った。

（橋本健吾 / Kengo Hashimoto）