“ルール違反”の大胆行為で黒髪ボブに 喋らぬパネルにファンサ…DeNAエースチアの苦難
dianaの人気メンバーSarasaさんは4年間の活動を経て今シーズンで卒業
横浜DeNAベイスターズのオフィシャルパフォーマンスチームdiana(ディアーナ)の超人気メンバーで、自他ともに認める“あざとキャラ”のSarasaさんは、今年度限りでdianaを卒業する。Full-Countのインタビューに応じ、4年間の思い出や、トレードマークの黒髪ボブ誕生秘話などを明かした。
「やり切りました。コロナ禍から始まった活動でしたが、今季やっと自分が憧れていたdianaの形を全て味わえました。ファンの方と声を出して一体となれたのが大きかったです。dianaで活動できたことが本当に幸せでした」。Sarasaさんはそう言って、とびきりの笑顔を見せた。
横浜スタジアムに年間10回訪れるほどDeNA好きだったSarasaさん。球場で初めてチアを見て憧れたことがオーディションを受けたキッカケだった。難関をくぐり抜けてメンバー入りを果たしたが、夢見ていた光景とは違い、苦難のスタートだった。
活動1年目の2020年、コロナ禍に見舞われ無観客試合が続いた。初めてのパフォーマンスは、横浜スタジアムに当時新設されたウィング席。グラウンドは遥か遠く「凄く高いところで踊ったので怖かったです。スタンドの階段で球団歌を踊ったこともあって、落ちないか心配でした。あとはお客さんのパネルの隣で踊ったり……」。6月19日の開幕戦、球団は無観客でもファンとの一体感を出そうと、顔写真入りのパネル人形を座席に置く取り組みを行っていた。
めげずに踊り続けると、年数を重ねるごとに徐々にできることが増えてファンとの距離が縮まり、今季は声出し応援も解禁された。diana自体も今季、イニング間イベント「Hisense ハマスタバトル」で激走する姿が話題となって知名度も格段にアップ。試合前のステージには連日多くのファンが押し寄せた。
4歳からバレエ一筋…始めたキッカケは「お姫さまになりたくて」
踊りとの出会いは、4歳のときに始めたバレエだった。「恥ずかしいんですけど……お姫さまになりたくて」。それからは専門学校にも通うなどバレエに打ち込んだ。dianaはオールジャンルのダンスを踊るため、苦労したことも少なくない。また、元々人前で話すのが得意なタイプではなかったというが「途中からは、対チームとして自分がこれを発言したほうがいいのかなとか考えて言えるようになりました。やりたいことも言えるタイプではなかったけど、マネジャーに『MCやりたいんです』とか積極的に言えるようになりました」と自身の成長に胸を張った。
今では“Sarasaさん=黒髪ボブ”というほどに定着している髪型。しかし1年目の秋頃までは茶色に染め、肩までの長さがあった。実はdianaには、ファンに名前を覚えてもらうために宣材写真と同じ髪型で1シーズンを過ごすという“ルール”がある。それなのに「1年目の『THE FINALS』(冬のステージ)前に思い切って切っちゃいました。サッパリしたかったんですかね」。
まさかの決断での人生初ボブは吉と出たようにも思うが「ボブにしたこと自体はよかったと思っていますが、今は、ちゃんとシーズンが終わってから相談するべきだったなと思っています」と気まずそうに振り返る。ちなみに、Sarasaさん以降、そんな“猛者”は現れていないという。
メンバーと顔を合わせれば「おはよう。会いたかった?」「Sarasaの好きなところ言って」などと可愛くお願いするのだという。定着した“あざとキャラ”に「私もそう思います。えへへ」。先輩後輩、ファンに愛された4年間の活動に区切りをつけ、次なる道に進む。
「dianaで学んだことを生かし、活動させてもらった恩返しができるようなことを今後していけたらいいなと思っています。元気を届ける側としてやっていたけど、いつも元気やパワーをもらっていました。凄くありがたかったので、皆さまにいつかまた胸を張って会えるように、これからも頑張っていきます。ずっとベイスターズを好きなことには変わりないので、これからも一緒に応援していけたらいいなと思います」。DeNAを華やかに彩った“エース”は、変わらぬチーム愛を胸に歩み出す。