史上初の快挙へ…大谷翔平に立ちはだかる高い壁 MVP獲得に求められる圧倒的数字
指名打者専念でのMVP受賞は過去にゼロ
ドジャース・大谷翔平投手は右肘の手術により、2024年は打者に専念する予定だ。2023年は史上初となる2度目の満票MVPを獲得。ドジャース移籍で期待されるのがナ・リーグで初のMVPだが、大きな壁も。指名打者専任でMVPを受賞した選手はいまだゼロとなっている。
近年のメジャーリーグのMVP投票では、打撃や走塁、守備、投球を総合的に評価して貢献度を表すセイバーメトリクスの指標「WAR(Wins Above Replacement)」が重要視される。指名打者は、守備での貢献が皆無のため、WARの数値が上がりにくい。そのため、打撃で圧倒的な数値を残す必要がある。
指名打者専任の選手では、MVP投票2位が最高位。過去に1993年のポール・モリター(ブルージェイズ)、2000年のフランク・トーマス(ホワイトソックス)、2005年のデビッド・オルティス(レッドソックス)、2014年のビクター・マルティネス(タイガース)だ。いずれもOPS.900以上と好成績を残していたが、1位の栄冠には届かなかった。“史上最強の指名打者”エドガー・マルティネスも受賞していない。
大谷の今季のWARは10.0でMLB1位だが、打者だけで見ると6.0。同リーグのマーカス・セミエン(レンジャーズ)の7.4を下回る。ナ・リーグは今季、ロナルド・アクーニャJr.(ブレーブス)が満票受賞。ムーキ―・ベッツ、フレディ・フリーマン(ともにドジャース)らも好成績を残し、54本塁打、139打点を挙げたマット・オルソン(ブレーブス)ですら最終投票に残らなかった。史上初の快挙には高い壁が立ちはだかっている。
(Full-Count編集部)