“移住”で得する大谷翔平…回避した14億円の義務 後払いが可能にした賢い節税

ドジャース・大谷翔平【写真:ロイター】
ドジャース・大谷翔平【写真:ロイター】

米全国紙「USAトゥデイ」が経済面で特集した

 エンゼルスからFAとなった大谷翔平投手は10年総額7億ドル(約1013億円)でドジャースに加入したが、約97%にあたる6億8000万ドル(約984億円)が後払いとなることが注目を集めている。大谷への支払いは来季からの10年間は実質年俸200万ドル(約2億9000万円)で、契約が満了した2034年から10年間で残りを支払う。そのため、支払いが終了するのは大谷が49歳になる2043年となるとされている。米全国紙「USAトゥデイ」は経済面で今回の契約を特集。収入を分散させることで、節税対策を行っていると報じている。

「ショウヘイ・オオタニのメガ契約から、一般納税者が学べること」のタイトルで掲載された記事は、大谷が収入を分散させることで基本的な節税対策をしているとして、ファイナンシャルプランナーの資格を持つコリン・デイ氏の話を紹介。デイ氏は「オオタニの契約がドジャース在籍中しかあてはまらないのであれば、彼は多額の連邦税と州税を支払うことになる」と語る。

 米国の連邦税の税率は、課税所得の金額に応じて10%~37%までの累進課税の税率が適用される。2024年の連邦税は、年間所得が60万9350万ドル(約8800万円)を超える者については最高税率の37%が課されることになっている。所得税(州税)の制度も税率も州によって様々。所得税のない州が7州(アラスカ州、フロリダ州、ネバダ州、サウスダコタ州、テキサス州、ワシントン州、ワイオミング州)ある。

 多くの専門家は、大谷が税率の高いカリフォルニア州での納税を避けるために後払いにしたと推測していると、記事は伝える。税制調査機関の「Tax Foundation」によると、カリフォルニア州より最高税率が高い州はない。

 今年のカリフォルニア州税の税率は最高で14.4%。大谷が今後10年間で7億ドルを満額受け取った場合、州税は年1000万ドル(約14億4700万円)ほどになる。だが実際は「大谷は40歳になる2034年まで大金は受け取らない。その段階で引退して、州税がかからないフロリダに移住することもできる」と記事は伝えている。

(Full-Count編集部)

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