今後、投げられなくても殿堂入り? 米記者提言…大谷翔平の比類なき功績は“神話”

ドジャース・大谷翔平【写真:ロイター】
ドジャース・大谷翔平【写真:ロイター】

今後10年間のDHだけのWARを予測…通算数値は殿堂入り候補のボーダーラインに近づく

 10年総額7億ドル(約1035億円)でドジャースと契約した大谷翔平投手は、昨年まで6年間在籍したエンゼルスで強烈なインパクトを残した。特に投打二刀流で大活躍した直近3年間(2021〜2023年)は、選手の貢献度を表す「WAR」でも圧倒的数値を残しており、米スポーツ局「ESPN」のデビッド・シェーンフィールド記者は、今後大谷はDHだけでプレーしても野球殿堂入りにふさわしいと主張している。

 2021年、2023年にMVPに選出されるなど、大谷は直近3年間のメジャーを席巻した。記事では、大谷が今後、投手を務めないと仮定し、打率.273、34本塁打をマークした2022年の数字を基に、今後10年間の打者としての仮のWARを算出。23.5になるという。これまでのWAR34.7を加えると、ドジャースの10年契約終了時点での生涯WARは58.2になり、殿堂入り候補のボーダーラインとされるWAR60近くになると記事は伝えている。

 シェーンフィールド氏は次に、2021〜2023年の活躍で殿堂入りできるか考察。自身最高の3年間のWARが、生涯WARに占める割合が最も高かった殿堂入り選手を分析すると、トップはサンディ・コーファックスで54.8%だった。コーファックスは1963年に25勝、1965年に26勝、1966年に27勝でいずれもサイ・ヤング賞を受賞。生涯WAR53.1のうち、29.1をこの3年間で得た。「キャリアは短かったが、投票者は伝説的な3年間に深く感心し、資格を得た最初の年に悠々殿堂入りした」と同氏は述べている。

 大谷は直近3年でWAR28.6を蓄積した。これはシェーンフィールド氏が仮定した生涯WAR58.2の49.1%にあたる。一般的な殿堂入り選手の割合からは外れるが「野球を超えた存在になったという意味では、コーファックスに似たキャリアにはなることは確実だ」と説明する。

 また、大谷はこの3年間はいずれもWAR9以上で、1900年以降、WAR9以上のシーズンを3度送った選手は28人しかいないという。3年間の合計WAR28.6を上回って殿堂入りできなかった選手は、1970年代にホワイトソックスに在籍したナックル左腕のウィルバー・ウッドだけだとも解説している。

 シェーンフィールド氏は更に「我々が算出した仮のオオタニはコーファックスとしか比較できない」とし、コーファックスは3シーズン(1963、1965、1966年)で「今も生き続ける輝かしい神話を築いた。私はオオタニの場合もそうなると信じている」と主張する。そして、「今後非常に良いDHだけに限定されたとしても、彼は殿堂入り選手だ」と結論付けている。

(Full-Count編集部)

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