西武が異例の試み、300人の“大決起集会” 距離感撤去へ…松井監督「いい関係が築けた」
今年初開催となった現場スタッフと球団職員による「懇親会」
2024年シーズンの開幕まで1か月を切っている。2019年以来5年ぶりのリーグ優勝、2008年以来16年ぶりの日本一を狙う西武が、球団初の試みとなる“大決起集会”を開催したのは、キャンプイン前の1月31日のことだった。
「ライオンズ球団懇親会」と銘打ち、埼玉の川越プリンスホテルに渡辺久信GM、松井稼頭央監督、西口文也2軍監督らを中心とした“現場組”と、奥村剛球団社長、飯田光男球団本部長をはじめとする球団内各部署の職員ら計300人近くが集結した。
現場と球団との“橋渡し役”として日々奔走し、この日の司会を務めた1軍チーフマネジャーの松下建太氏によれば「以前から社員と現場スタッフとコミュニケーションを取っていこうという流れから始まった会ですね」と説明。
優勝という同じ目標に向かっている“仲間”でありながらも、顔を合わせる機会が少なかった現場と球団が一つになる必要性は以前から議論されていた。今年になって実現へのミーティングが重ねられ、遂に開催に至ったという。
松井監督らが各卓を挨拶回り「どのテーブルもとても盛り上がっていた」
各テーブルに球団職員とチーム関係者が同席。松井監督は「(面識が少ないため)おとなしい会になるんじゃないかと心配していたのですが、どのテーブルもとても盛り上がっていたのを見て、安心しましたし、嬉しかったですね」と振り返った。
チームを代表して松井監督は西口2軍監督、渡辺GMとともに全卓へ挨拶まわりをし、記念撮影をしたが「会話を止めてしまうのが申し訳ないくらいでした」と振り返った。
懇親会の翌日に行われたユニホーム撮影では「(撮影スタッフの)顔を知っているだけで違いましたね。待ち時間も苦にならないくらい会話も弾んで、少々のおふざけができるくらい、あの1日で良い関係が築けたと思っています」と近くなった“距離”を実感したという。
「すごくいい会になったと思います。これまでは現場と社員さんの距離感があったと思うけど、コミュニケーションを取れて良かった。現場は社員さんの気持ちがわかったと思います。『チームのために社員の皆さんがここまで頑張ってくれているのを知ることができた。現場ももっと頑張らないといけない』といった声も聞こえてきました」
松下氏も大成功に笑顔を見せた。懇親会のハイライトは後藤高志オーナーからの差し入れの「特注ダルマ型ケーキ」への、松井監督による目入れ。現場のトップとして優勝後にもう片方の目を入れることを誓うと大きな拍手が起こった。「来年以降も実施したいですね!」と指揮官。開幕前の一致団結。頂点への気勢が一気に上がった。
(湯浅大 / Dai Yuasa)