沈黙のロッカー、指揮官から漏れたため息と本音 5年ぶり屈辱…大谷翔平に求められる責任
取材後にロバーツ監督は帽子を取り深いため息
■レッズ 4ー1 ドジャース(日本時間27日・シンシナティ)
取材対応が終わると、被っていた帽子を脱ぎ、大きなため息をついた。26日(日本時間27日)、ドジャースはレッズに1-4で敗れ、2019年以来となる5連敗。5年ぶりの屈辱にデーブ・ロバーツ監督からも疲れが見えた。
ここまで5連勝中だった山本由伸投手でも止められなかった。3回に4安打を浴び、一挙4失点。最もそれ以上に打線が沈黙。2日間でわずか2得点。大谷翔平投手も4打数1安打1三振で8試合ノーアーチとなった。
ここまで33勝22敗と地区首位を独走しているが、直近5試合は3、0、6、1、1得点と持ち前の打棒は影をひそめる。中でも得点圏は26日(同27日)の9回1死二塁でフリーマンが適時二塁打を放つまで22打数ノーヒットだった。
試合後は沈黙が漂った。大谷は山本に声をかけていたが、いつもの特徴的な笑い声はなし。ベッツは無言でクラブハウスを去った。「まだ5月だ。野球だから、(シーズン)162試合ある。2週間前は毎試合勝っていたよ」。フリーマンが前向きに取材に応じる声が、普段以上にクラブハウスにこだました。
11年連続でプレーオフに進出し、昨オフは総額1800億円以上の補強を行ったドジャースは常勝が求められる。ましてや大谷ら高額の契約を結んだ選手は少しの期間不調が続いただけで指摘される。「準備不足が原因ではないことは理解しているけど、肝心なのは結果で、それがついてきていない」。指揮官は本音を漏らしていたが、まさに言う通りで、ファンは例年以上に結果を見るだろう。
27日(同28日)からニューヨークでメッツとの3連戦に臨む。辛抱する時期はどのチームにもあるだろう。ただ、豪快な一発で厳しい声やチーム状況を払拭するのも、7億ドル(約1085億円)男の役目でもある。
(川村虎大 / Kodai Kawamura)