「行ってみたい都市」が“鬼門”に…大谷翔平、世界一へ浮き彫りになった最大の障壁
エ軍時代から敵地・フィリーズ戦は1勝8敗、通算打率3割超えも本塁打なし
【MLB】フィリーズ 5ー1 ドジャース(日本時間12日・フィラデルフィア)
かつて「行ってみたい都市」に挙げてきたフィラデルフィアが“鬼門”となっている。ドジャース・大谷翔平投手は11日(日本時間12日)の敵地・フィリーズ戦で5試合ぶり無安打。エンゼルス時代から敵地・フィリーズ戦の戦績は1勝8敗となった。
フィリーズ戦はいまだに本塁打を打っていない2球団のうちの1つだ。それ以上に悪しき思い出が残る。エンゼルス時代の2022年はチーム8連敗で乗り込んで同一カード3連敗。特に3戦目の6月5日(同6日)は最大5点差を守れずにサヨナラ負けした。連敗は球団ワーストの14まで伸び、恩師のジョー・マドン監督がシーズン途中で解任となった。
2023年は8月28日(同29日)から3連戦。29日(同30日)の第2戦では右中間適時二塁打を放つなど5打数3安打2打点をマークしたが、投手陣が12失点と崩壊。いわゆる“なおエ”でシリーズも1勝2敗と負け越した。そして、ドジャース移籍後は今回の3連敗スイープである。シチズンズ・バンク・パークでは通算33打数10安打の打率.303、4打点と結果を出してないわけではないが、何とも、もどかしい戦績となっている。
今のドジャースはベッツやマンシー、グラスノーや山本由伸ら多くの主力が戦列を離れている。いわゆる“飛車角落ち”のチーム状態で、この日、ロバーツ監督は「“現時点では”、私たちよりいいチームだ。このシリーズではあまりいい戦いができなかった」と完敗を認めた。
ナ・リーグ東地区首位を走るフィリーズは61勝32敗でリーグ最高勝率.656を誇る。8月5日(同6日)からドジャースタジアムでも3連戦があるが、本当の戦いはワールドシリーズをかけた10月。シチズンズ・バンク・パークは悲願のワールドシリーズ制覇へ避けては通れない道になるだろう。
映画「ロッキー」の舞台として知られるフィラデルフィア。日本ハム時代、大谷はMLB公式サイトのインタビューに応じた際に「ロッキー・バルボア像の写真が欲しい」と話していたこともあった。俳優シルヴェスター・スタローンが演じた主人公のように、どんなに倒されても不屈の闘志で立ち上がって欲しいものだ。
(小谷真弥 / Masaya Kotani)