大谷翔平に見えたエ軍からの変化…ヒリヒリする9月 無くなった“数字”への意識

46号を放ったドジャース・大谷翔平【写真:Getty Images】
46号を放ったドジャース・大谷翔平【写真:Getty Images】

エンゼルス時代の2021年には本塁打王を「意識してやりたい」と発言

【MLB】ドジャース 4ー0 ガーディアンズ(日本時間9日・ロサンゼルス)

 過去6年とは違う“ヒリヒリした9月”で、周りの期待に反して自身の数字への意識はますます低くなった。ドジャースの大谷翔平投手は8日(日本時間9日)、本拠地・ガーディアンズ戦で46号ソロを放ち、史上初の「46本塁打&46盗塁(46-46)」を達成した。前人未到の50-50へまた1歩前進したが、記録は「最後に振り返ればいいと思う」とあっさりとした回答だった。

 この日は自己記録の更新ラッシュだった。まずは3回2死の第2打席で中前打。今季161本目の安打で2022年の160安打を抜いた。また、2021年に並ぶ46本目のアーチで101打点を記録。2021年の自己最多100打点を更新した。

 レギュラーシーズンは残り19試合だが、まだまだ新たな記録が待ち構えている。47号で韓国出身のチュ・シンス(秋信守)が持つアジア出身者最多の通算218本塁打に並び、49号で2001年にショーン・グリーンが記録した球団最多記録に並ぶ。さらに日米が注目するのは前人未到の「50-50」だろう。デーブ・ロバーツ監督も「本拠地で達成してくれることを願っている」と到達することを前提として話していた。

 一方で大谷本人は今季、数字にこだわりを持たずにプレーしている。試合後の囲み取材では6問中3問が記録に関する質問だったが、「最後に振り返ればいいと思うので、勝って貯金を増やせたことが良かったと思います」「あまり意識しないようにしています。それより自分のいい感覚の打席を増やしたい」とあっさりとしている。

 エンゼルス時代の2021年、ブラディミール・ゲレーロJr.内野手らと本塁打王争いを演じていた時は「意識してやりたい」と話していた。あれから3年が経ち、2023年には本塁打王も獲得し、今年ドジャースへ移籍。常勝軍団で心境も変化した。

「チームが変わっているので、自分の数字を気にする余裕はないです。首位にいますけど、どんどん勝っていって地区優勝を決めたいです」。エンゼルス時代も勝利を求めていたことは変わりない。ただ、実際にプレーオフ争い真っ只中のチームを経験。勝利に貢献することで数字がついてくると肌身で感じている。

(川村虎大 / Kodai Kawamura)

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