挫折を味わった18歳逸材「気になって…」 打率.150で再降格、記憶に残る“景色”
オリックスのドラフト1位・横山聖哉「太田さん、クレさんは落ち着きが違います」
凛々しい顔つきになってきた。オリックスのドラフト1位・横山聖哉内野手がファームで成長のきっかけを掴もうと奮闘を続けている。8月30日に自身2度目の1軍昇格を果たしたが、12日に出場選手登録抹消となった。
「1回目(の昇格)よりも、2回目は少しだけラフな気持ちで入れました。ただ、打席を重ねる度に相手に研究されるようになって……。そこを攻め続けられる感じでした。打席の中でも気になってしまいましたね。『次はここにくるんじゃないかな』と考えて、裏をかかれるパターンが多かったです」
18歳は静かに闘志を燃やした。今季は12試合に出場して打率.150。プロの壁に直面した。「スイング自体は悪くなかったかもしれないですけど、いつもはあそこまで振らないので。『積極的に』と考えすぎてゾーンを広げていました。大振りになっていましたね」と頭をかく。
将来を期待される有望株。新人年の今季は5月24日の西武戦(ベルーナドーム)で初の1軍昇格を果たし「8番・三塁」でプロ初出場した。第2打席で西武の先発・高橋光成投手からプロ初安打をマークしたが「力感なく投げてくる感じでした。バン! って感じで速い球が来るならわかるんですけど、力を抜いた感じで強いボールが来る。フォークの落差もすごかったですね」とハイレベルの投球に食らいついた。
1軍の空気を味わい、再びファームで鍛錬を積む秋。1軍のベンチで近くに座った太田椋内野手、紅林弘太郎内野手の振る舞いが忘れられない。「太田さん、クレさんは落ち着きが違いますね。ベンチにいても『打席を考えているな』と感じます。アウトになったら、もう次の打席のことを考えていました」。目の当たりにした景色を忘れず、懸命にバットを振り続ける。
(真柴健 / Ken Mashiba)