ジャッジも届かない…大谷翔平の「6.7」 “勝負弱い”は過去、証明した球界No.1

ドジャース・大谷翔平【写真:荒川祐史】
ドジャース・大谷翔平【写真:荒川祐史】

2本の適時打を放ち勝利に貢献…WPAは6.3→6.7へと上昇

 チームを救う打撃だった。ドジャース・大谷翔平投手は25日(日本時間26日)、本拠地・パドレス戦に「1番・指名打者」で先発出場し、6回の決勝打を含む2打席連続タイムリーを放った。首位攻防カードの大事な一戦で発揮した集中力。実はデータ上でも、大谷の“勝負強さ”は裏付けられている。

 2-2で迎えた4回2死一、二塁。右腕ディラン・シースの甘く入ったスライダーを捉え、右翼フェンスに直撃する一時勝ち越しの適時二塁打を放った。さらに3-3の6回2死一、二塁、左腕エイドリアン・モレホンの外角高めシンカーを中前へ運んだ。勝ち越し適時打を放ち、一塁ベース上で雄叫びをあげた。

 土壇場で結果を残した大谷だが、振り返ると数か月前までは「勝負弱さ」を指摘されてきた。8月上旬は得点圏打率.240と苦しみ、11日(同12日)の本拠地・パイレーツ戦では4度の得点圏で凡退。20日(同21)時点では得点圏でのwRC+(平均100とした時に打席あたりの得点創出の多さ)は81に過ぎなかった。しかし、22日(同23日)の本拠地・レイズ戦で自身初のサヨナラ満塁弾を放った以降、一気に成績が向上していく。

 レイズ戦以降は得点圏で33打席立ち、打率.481、5本塁打。wRC+は驚異の「345」となっている。年間での得点圏wRC+も129まで上昇した。さらに「WPA(Win Probability Added)」という指標がある。プレーにより勝敗の期待値がどれだけ変化したかを測り、状況に応じて数値が変動する。例えば、大差の試合で1本打っても評価は上がらないが、同点での勝ち越し打、サヨナラ弾などは高く評価される。得点圏打率よりも勝負強さを反映していると言われている。

 そして、大谷は25日(同26日)の試合前の段階でWPA「6.3」をマークし、ヤンキースのアーロン・ジャッジ外野手(6.0)を抑え、堂々のメジャートップに君臨。「勝負弱い」との指摘は過去のものになり、今や球界で最も勝負強い打者になった。パドレス戦を終え、大谷のWPAは6.7へと上昇。2本の適時打が、文字通り“意味のある”ヒットになったことが数字からも裏付けられている。

(Full-Count編集部)

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