ドラ1左腕は「雄星より上」 19年目の炭谷が絶賛した“対応力”「ルーキーとは思えない」
炭谷が絶賛した新人・武内「ルーキーとは思えないですよね」
■西武 8ー0 日本ハム(9月30日・ベルーナドーム)
西武の炭谷銀仁朗捕手は今季、ルーキーの武内夏暉投手の“主戦捕手”として21試合の登板のうち20試合で先発マスクをかぶった。プロ19年目のベテランは新人王有力候補の逸材左腕について、過去に組んだ大物投手の名前を挙げ、その能力を絶賛した。
「疲れがあるのは当然ですけど、対応力の高さをみせてもらいました」
9月30日の日本ハム戦に先発した武内は2桁勝利がかかるなかでも重圧に負けずに好投。味方打線の援護をもらうと安定感は増した。8回3安打無失点で、球団では2007年の岸孝之投手以来となる新人での2桁となる10勝目をマーク。投球イニング145回1/3で規定投球回到達も岸以来となった。防御率は2.17と立派な数字を残した。
6年ぶりに古巣復帰を果たした37歳は年齢が一回り以上違う23歳の武内について「こっちが要望することに応えて投げてくれる。マウンド度胸もいい。相手のタイミングをずらすとか、そういうのはもともとできていたピッチャーなんでしょうけど、対応力という部分に関してはルーキーとは思えないですよね」
武内がマウンドでみせる状況に応じた対応力は「(菊池)雄星にもなかった。アイツは球が異次元ですごかったけど、そういう部分(対応力)においては雄星よりも全然上やと思います」。新人時代から菊池の球を受け続けていた炭谷が“証言”した。
さらにポテンシャルについて「若い時ということで言うと岸さん、涌井(秀章)さんとかのレベルじゃないですかね」。自身がかつて何度もバッテリーを組んだ通算164勝の岸、同162勝の涌井の若手時代に匹敵すると語った。
「武内の何が一番の武器かというのは難しい。全部できるんじゃないですか。左右、高低、緩急……。全部の球種が勝負球になるし、打たせて取ることもできる。全部できるんです。もう、こっちがやりやすいようにやらせてもらっていますね」。
炭谷が思い描く理想の組み立てを実現する投球能力が、新人の武内にはある。
(湯浅大 / Dai Yuasa)