「ちょっとキッカケを掴めば…」 ハム新庄監督が期待する“次のスター”は23歳内野手

日本ハム・水野達稀【写真:小林靖】
日本ハム・水野達稀【写真:小林靖】

「可能性がある選手をつくり上げられたのは、僕の人生のひとつの自慢」

 日本ハムは26日にエスコンフィールドで行われた楽天戦に勝利し、2018年以来6年ぶりのAクラス入りを決めた。新庄剛志監督にとっては就任3年目で初のクライマックスシリーズ(CS)進出。手塩にかけて育てた選手も育ち、就任時に掲げた「7人スターをつくる」も着々と進行中。そんな中で「あとちょっと何かのキッカケを掴めば……」と次なる大ブレークを待つのが、水野達稀内野手だ。

「水野君も守備はかなりよくなって、あとは打率とか打点とか盗塁とか、ちょっと何かのキッカケで掴めばスターになれる選手ですから」

 2021年ドラフト3位で入団した3年目の24歳。今季は前半戦から存在感を示し、球宴ファン投票の遊撃手部門でトップに輝いた。しかし6月21日に「右足関節外側靭帯損傷」を負い、無念の辞退。それでも8月6日に1軍復帰し、ここまで98試合で打率.215、6本塁打、35打点の成績を残している。

 2022年が21試合で打率.122、2021年が31試合で打率.161、通算0発だったことを考えれば、確かな成長といえる。それでも指揮官は高いポテンシャルを感じ取っているだけに、さらなる飛躍を願わずにはいられない。

 26日の試合では、厳しい言葉をかけ続けた清宮幸太郎内野手が美しい決勝アーチを放った。清宮はスターに入るかーー。そんな問いに、新庄監督は含み笑いでしばし沈黙したのち、「それは入るでしょう。オールスターでMVP獲るってことは、もうスターですよ。なかなか出られないし、なかなか打てるもんじゃない。万波くんも獲ったしね」と珍しく認めたのだった。

 3年前、知名度が高いと言える選手が多いとはお世辞にも言えなかったチームが、今年の球宴ではファン投票で9人選出。新庄監督のもと、ファンに愛される選手が育った。「もの凄く可能性がある選手をつくり上げられたのは、僕の人生の中のひとつの自慢には入りましたね」。そう話す表情は、いつになく穏やかだった。

(町田利衣 / Rie Machida)

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