ド軍現場に微妙な空気感も…大谷翔平、大逆転3冠王へかける2.5%の可能性
首位打者・アラエスは打率.314のまま…大谷は4厘差で最終戦に臨む
【MLB】ドジャース 13ー2 ロッキーズ(日本時間29日・デンバー)
ドジャースの大谷翔平投手は28日(日本時間29日)、敵地・ロッキーズ戦に「1番・指名打者」で先発出場し、5打数2安打で打率.310に上げた。首位打者のパドレスのルイス・アラエス内野手は敵地・ダイヤモンドバックス戦を欠場して打率.314のまま。大谷は4厘差で最終戦に臨むことになった。
大谷と首位打者を争うアラエスのスタメン外が現場に伝わったのは、ドジャースの打撃練習開始前だった。その後の15時過ぎ、ロバーツ監督がダグアウト内での囲み取材に登場。米メディアは即座にアラエスの先発外の質問を指揮官にぶつけた。ロバーツ監督はキッパリと答えた。
「ルイス(アラエス)は十分に試合出場している。パドレスはワイルドカードの出場を決めたからね」。パドレスは後半戦に猛烈な追い上げで地区優勝争いを繰り広げた上、10月1日(同2日)からワイルドカードシリーズが控えている。しかもアラエスにとっては3年連続首位打者の快挙がかかっている。指揮官は“欠場やむなし”と理解を示した。
大谷は初回先頭で右越えの単打を放ち、6回先頭の右前打で4試合連続マルチ安打。シーズン58盗塁も決めて、1番打者として十分すぎる仕事ぶりだ。ただ、3冠王争いでは29日(同30日)の最終戦で4安打以上が求められるタフな状況に。首位打者へはアラエスが俄然有利な状況だ。「アラエス、明日も出なそうね」「アラエスが試合に出ても1打席か、2打席で交代でしょ」。試合後のドジャース現場は、何とも言えない空気が漂った。
試合後、ロバーツ監督も「ベリー・アンライクリー(とても可能性は低い)」と語った。それでも、今季の出場158試合のうち4試合で4安打以上を記録。確率にして2.5%だ。テオスカー・ヘルナンデスは「できることにもう驚く人はいない。彼が6本打ってくれるといいね」と大谷の偉業を期待した。2012年ミゲル・カブレラ以来12年ぶりの大偉業へ、もう打ちまくるしかない。
(小谷真弥 / Masaya Kotani)