宗山塁と清原正吾の“意外な仲” 小声で「打つなよ」…2人に迫る運命の10・24

慶大・清原正吾(左)と明大・宗山塁【写真:加治屋友輝】
慶大・清原正吾(左)と明大・宗山塁【写真:加治屋友輝】

2人は北海道ベースボールウィークでチームメートとしてプレー

 東京六大学野球秋季リーグは29日、神宮球場で明大-慶大2回戦が行われ、明大が8-0で大勝して対戦成績を1勝1分けとした。5回に右翼席へ節目の通算10号3ランを放った明大・宗山塁内野手(4年)は、10月24日に迫ったプロ野球ドラフト会議の超目玉。一方、NPB通算525本塁打の清原和博氏の長男である慶大・清原正吾内野手(4年)も、プロ志望届を提出済みで注目を浴びている。

「やり返しました」。自身の3ランもあって勝利を収めた宗山はいたずらっぽく笑った。前日28日の1回戦では、1点リードの9回2死走者なしの場面で清原にまさかの同点ソロを浴び、3-3と引き分けた。試合後は同じ場所で明大、慶大の順に記者会見が開かれ、入れ替えのタイミングで、宗山が清原に「打つなよ……」と小声で話しかけ、清原は「(明大の会見の時間が)長い、長い」と笑顔で返していた。

 2人は同じ4年生だが、1年生の春からレギュラーの宗山に対し、清原は中学時代にバレーボール部、高校時代にはアメリカンフットボール部に所属し、大学進学後、試行錯誤の末に今春のリーグ戦で4番の座を獲得。あまり接点はなかったが、ここに来て急接近している。

「一番のきっかけは、オールスターですね。あいつは遠慮なしで来るので……」と、宗山が満面の笑みを浮かべながら明かす。今季開幕前の8月30日から3日間、日本ハムの本拠地であるエスコンフィールド北海道で「北海道ベースボールウィーク」が開かれ、「日本ハムVS東京六大学選抜」、「東京六大学野球オールスターゲーム」などが行われ、宗山と清原はチームメートとしてプレーした。日本ハムとの試合では、清原が左翼席へ2ランを放っている。

 プロ側の宗山に対する評価は、もはや揺るぎない。中日の八木智哉スカウトは改めて「走攻守にわたって、トータル的に完璧でしょう。今季は体がひと回り大きくなり、パワーアップした印象です。プロで長くレギュラーを張る器だと思います」と絶賛した。

巨人スカウト「身体能力が高く面白い存在であることは間違いない」

 一方、清原は本格的に硬式野球を始めてから短期間で驚異的な成長を遂げているが、実際に指名されるかどうかは未知数。巨人の森中聖雄スカウトは「獲るか、獲らないかという話はできません。ドラフトが間近に迫っているこの時期は、戦略的なこともありますから、どの球団もそうだと思います」とした上で、「身体能力は高いです。エスコンでの1発といい、昨日の同点弾といい、ここぞという所で打てるのは、運だけではありません。面白い存在であることは間違いないと思います」と評した。

 宗山も清原も、笑顔が似合うナイスガイ。仲良くなった2人がそろってプロのユニホームを着ることになるか、注目が集まる。

(Full-Count編集部)

RECOMMEND

KEYWORD

CATEGORY