大谷翔平が大一番で見せた“由伸イジリ” 歓喜のシャワーに「ポジティブな声がけ」
大谷「由伸が素晴らしいピッチングで。本当に圧倒して」
【MLB】ドジャース 2ー0 パドレス(日本時間12日・ロサンゼルス)
容赦なかった。歓喜に沸くドジャースのクラブハウス。大谷翔平投手は山本由伸投手へ「おりゃー!」と大量のシャンパンを浴びせた。山本は11日(日本時間12日)の地区シリーズ第5戦でポストシーズン初勝利。5回2安打無失点と完璧な内容だった。
「由伸が素晴らしいピッチングで。ブルペンも素晴らしい。ロースコアでしたけど、勝ち切っていいゲームだったと思います。本当に圧倒して。相手を寄せ付けない投球で、圧倒的だったと思います」
誰よりも気にかけていた。山本は6日(同7日)の地区シリーズ第1戦では3回5安打5失点。先陣を託されたが、結果を出せなかった。「結構、落ち込んでいたので『勝てて良かったな』と。フフフ。切り替えるんじゃないかなと思うので。場数も踏んできている投手だと思いますし。次は素晴らしいピッチングができるんじゃないかなと思います」。会見終わりにはすれ違う山本に茶目っ気たっぷりにボディをタッチ。大谷なりの愛のあるイジリだった。
前日の会見も同じだった。報道陣からダルビッシュとの再戦について問われたが、自ら山本の話題に変えた。「(ダルビッシュと)由伸の投げ合いもありますし、明日かなり個人的には楽しみにはしている」。山本の第5戦先発が正式発表される6時間前の“フライング・エール”。ただでさえ緊張するだろう大一番での先発へ、こうプレッシャーをかけるのも大谷ならではか。
勝てば3年ぶりのリーグ優勝シリーズ進出、負ければ終戦となる大一番。レギュラーシーズン中、打席間はベンチ裏での準備に時間を割くが、この日はベンチ最前列から声援を送った。5回降板後には山本の頭をうれしそうに撫でた。
山本は「前回登板の後にもたくさん声をかけてくださりましたし。今日もポジティブな声がけをたくさんしていただきました」と感謝した。ワールドシリーズ制覇へあと8勝。4歳離れたドジャースの“日本人コンビ”は進化をやめない。
(小谷真弥 / Masaya Kotani)