大谷翔平に球団オーナーが感じた“恩義” ド軍選択で生まれた「最高のチームになる義務」
ド軍指揮官も熱望した大谷WS出場「野球のために私は望む」
ドジャースの大谷翔平投手は移籍初年度の今季、本塁打と打点の2冠王に輝いた他、前人未到の「54本塁打&59盗塁(54-59)」をマーク。地区優勝に大貢献し、プレーオフでも3本塁打を放つなどの活躍でワールドシリーズ進出の原動力となった。米スポーツ専門メディア「ジ・アスレチック」は、大谷が入団したことで「できる限り最高のチームになる義務があると感じた」とするマーク・ウォルター球団会長兼筆頭オーナーの言葉を紹介している。
同メディアは敏腕記者、ケン・ローゼンタール氏の記事を掲載。ワールドシリーズ進出は「昨年12月に10年7億ドル(約1057億円)の契約を結んだ際、オオタニとドジャース双方が思い描いた筋書きだった」と解説し、次のように強調した。
「その契約がお買い得だったと証明されることは、ほぼ間違いない。2034年から2043年にかけてオオタニの年俸の大半を払い始める前に、ドジャースはそのお金で投資するからだ。日本の会社10社とスポンサー契約を確保したからだ。加入1年目にオオタニがワールドシリーズ進出に貢献したからだ」。大谷は契約の97%に当たる6億8000万ドル(約1027億円)を後払いにした。
メッツとのリーグ優勝決定シリーズを4勝2敗で制した20日(同21日)、ウォルター氏はこう話した。「彼(大谷)は勝ちたがっていると自身が分かるチームを見つけることに関心を持っていた。彼が我々を選んでくれたことで、我々にはできる限り最高のチームになる義務があると感じた」。
球団首脳はその実現に向けて、大谷との契約後も積極的に動き、山本由伸投手らを迎え入れた。デーブ・ロバーツ監督はリーグ優勝決定シリーズ第5戦の前に米メディア「FOXスポーツ」関係者に「世界中で最高の舞台に立つショウへイを見てもらいたい」「野球のために私はそれを望む」「ショウへイにとっては、彼が契約したのはこのためだ」などと胸中を吐露したという。
25日(同)に開幕するドジャースとヤンキースによるワールドシリーズ。その期待度は近年の戦いの「ほとんどを上回る」と指摘。「ニューヨークとロサンゼルス。リーグMVPに選出されそうな2人(大谷とアーロン・ジャッジ外野手)。ドジャースのスタン・カステン社長曰く、これはオオタニが『ほとんど生まれる前からずっと』待ち望んでいた瞬間だ」と結んでいる。大谷入団1年目でドジャースは4年ぶり頂点に立つか。注目の戦いはもうすぐ始まる。
(Full-Count編集部)