初タイトル獲得…西武26歳が見せた変化と進化 キャリアハイの9.71、解消された“悪癖”

西武・今井達也【写真:小林靖】
西武・今井達也【写真:小林靖】

西武・今井は今季、奪三振率が自己ベストの9.71…与四球率は最少の3.63

 西武の西口文也監督が11月23日に行われたファンフェスタで、2025年の開幕投手に今井達也投手を指名した。初めて開幕投手を務めた8年目の今季は、自身初タイトルとなる最多奪三振を獲得。名実ともにエースの座を襲名しつつある。今回は26歳右腕が見せた変化と進化に迫る。

 今井の通算奪三振率は8.20。2018年から2020年までは7.50以下だったが、2021年に7.79と向上させた。2022年は9試合で59回2/3で9.20。2023年は133イニングで130三振を奪い、8.80をマークした。2024年は173回1/3で187三振を奪い、規定投球回に到達したシーズンでは初めてイニング数を上回る奪三振を記録した。奪三振率もキャリア最高の9.71。規定投球回に到達した投手で、投球回を上回る奪三振を記録したのは今井とロッテ・種市篤暉投手のみだった。

 通算の与四球率は4.76。2018年と2019年は4点台だったが、2020年は7.59に悪化した。2021年と2022年はともに5点台だった。しかし、2023年は4年ぶりに4点台(4.13)へ改善。2024年は自身初めて3点台(3.63)まで向上させた。

 与四球の多さは、1イニングごとに許した走者の平均を示す指標「WHIP」にも影響を及ぼし、2018年から2021年まではいずれも1.39以上だった。しかし、2022年には1.19、2023年にはキャリア最高の1.11を記録。2024年も1.17だった。被打率はキャリア平均で.226。2018年から2020年まではいずれも.247以上だった。2021年から2024年まではいずれも.220以下と、4年連続でキャリア平均を下回る数字になっている。

 本塁打を除くインプレーの打球が安打になった割合を表す指標「被BABIP」はキャリア平均で.270。一般的な基準値とされる.300よりも低く、総じて運に恵まれてきたことを示唆している。2022年と2023年はともに.230台と良い水準にあった。2024年は.281でキャリアで2番目に高く、キャリア平均の.270を大きく上回った。2024年の今井は過去2年間に比べて運に恵まれなかったことになるが、過去2年間と同レベルの防御率を記録し、被打率以外の投球内容はほぼ全てにおいて向上させた。

 2019年から2023年まで千賀滉大投手(メッツ)と山本由伸投手(ドジャース)が独占していた最多奪三振のタイトルを、来季以降は今井が維持し続けるか。2年連続で開幕投手を託されるエースに要注目だ。

(「パ・リーグ インサイト」望月遼太)

(記事提供:パ・リーグ インサイト

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