野球初心者を“空気抵抗”で正しい投球動作に 「肘負担ゼロ」で身に付くシャドードリル

町田玉川学園少年野球クラブの練習の様子【写真:伊藤賢汰】
町田玉川学園少年野球クラブの練習の様子【写真:伊藤賢汰】

12球団ジュニアも輩出…選手育成に定評ある注目学童チームの「ひしゃくシャドー」

 効率的にエラー動作のない投げ方を習得したい。指導者の誰も悩むと言われる、子どもたちへの投げ方指導。東京都町田市の小学生軟式野球チーム「町田玉川学園少年野球クラブ」(以下、町田玉川)では、100円ショップで購入可能な“道具”を活用した、手軽にできるトレーニング「ひしゃくシャドー」を行っている。

 町田玉川は選手育成に定評があり、部員数は園児から小学6年生まで80人を超える大所帯。これまで「NPB12球団ジュニアトーナメント」出場選手も輩出している。チームを指揮する菊池拓平代表は選手生命にも繋がる“投げ方”の指導を大切にしており、その1つに「ひしゃく」を使ったシャドーピッチングがある。

 100円ショップでも購入可能な「ひしゃく」でのシャドーは、先端に重みがあり空気抵抗を感じる分、適切な投球動作の感覚を掴みやすいという。まず、お椀が下を向いた状態でひしゃくを上から握り、体にそわせて肩の高さまで上げ、胸を張ってトップの位置を作る。この時、グラブ側の手を前に伸ばしてカベを作れれば理想だ。そこから、前の手を引きつつひしゃくを前に振っていくが、その際、ステップ足(右投げなら左足)側に振り下ろすようにする。

ひしゃくシャドーを解説する菊池拓平監督【写真:伊藤賢汰】
ひしゃくシャドーを解説する菊池拓平監督【写真:伊藤賢汰】

「ポイントは、ひしゃくの先っぽが体の遠くに離れないこと。振る方向は横ではなく、ステップ足側にしっかり振ることです。また、振り下ろす際に手のひらが内側に向かないことも注意。振る過程で自然に親指側が下にくるようになるはずです。(ひしゃくは)重さもないので負担がかかることはありません。回数というよりは継続すること。コツコツ続けることが大切です」

 野球を始めたばかりの子どもたちは、様々な動作を説明しても体で表現できないことも多い。相手に上手く投げられないことで、ストレスを感じ、最悪の場合はイップスを発症するケースも出てくるという。特に初心者の段階ではボールを使わず、誰でも簡単にできる投球ドリルで基本の形を身に付けたい。

(橋本健吾 / Kengo Hashimoto)

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