報徳学園の「堅守」はなぜ生まれる? 基礎を疎かにしない冬場の“見直し地味トレ”
守備が上達する選手の特徴は「足運び」…基礎を見直す“3ステップドリル”とは
内野守備において、送球に繋がるフットワークは重要な要素を占める。そこで大切になるのが捕球姿勢だ。オフシーズンも基礎を積み重ね、全国トップクラスの守備力を誇るのが高校野球の強豪、兵庫・報徳学園。伝統の“堅守”は、どのように生まれるのか。少年野球にも参考になる練習法に迫った。
少年野球にせよ高校野球にせよ、実戦がなくなるオフシーズンに、一冬越えた選手たちが大きく成長する可能性がある。技術練習などに充てるチームが多い中、報徳学園は“基礎を一から見直す”期間ととらえている。主に守備を担当する宮崎翔コーチは、「数を受ける特守もありますが、基本的な部分を鍛えることも必要。うまくなる選手の特徴は、足を上手に動かせること。歴代のレギュラーもそうでした」と説明する。
そこで、学年を問わず行っているのが、守備力向上に繋がる「3ステップドリル」だ。
【1】まずは2人1組になり、受け手は軸足(右投げの場合は右足)立ちをキープしながら、転がるボールに合わせて左足を着地し捕球する。軸足のつま先は打球方向に向けず、やや開き気味がベスト。体が左方向に流れるのを防ぐため。
【2】次はボールを地面に置き、捕球直前まで素早くステップを踏み、最後の3歩はゆっくりと動きを確認しながら捕球体勢に入る。打球に対して右から入ることを意識するが、膨らみ過ぎず、置いているボールに対して左耳のラインから入るイメージを持つのがベスト。
【3】最後は【1】と【2】を組み合わせる。転がってくるボールに対し、右足を軸としながらタイミングを合わせ、捕球体勢に入る。その後は3回大きくステップを踏み、送球体勢に入っていく。
大きな動きはなく地味なトレーニングに見えるが、確実に守備力は向上していく。宮崎コーチも「シートノックなどでは意識することなく自然に動けるようにしてほしい。強い送球につながる捕球体勢を身に付ければ、ある程度のポジションは守ることができると思っています」と語る。華麗なプレーの裏には、地道な努力の積み重ねがある。
(橋本健吾 / Kengo Hashimoto)
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