上野由岐子が世界3位カナダを完封 中断が救い 審判「投げられる?」即座に「無理」
ぬかるむグラウンドに苦しみ、初回無死満塁のピンチ…
第16回WBSC世界女子ソフトボール選手権6日目の7日、予選B組で首位に立つ日本は、習志野市の第一カッター球場(秋津球場)で世界ランク3位のカナダと対戦し、2-0で勝利した。先発の上野由岐子(ビッグカメラ高崎)が制球に苦労しながら、カナダ打線を無失点に封じる完封勝利を収め、日本は全勝を守った。
台風13号の接近に伴い、雨が降り続く厳しいコンディション。上野はぬかるむマウンドに足場をとられて、カナダ打線に苦しめられた。初回いきなり連打を浴び、3番サリングには四球。無死満塁のピンチを招いた。
「足場が悪く、三振をとれる気がしなかった。左膝もよくなく、力を入れて投げられなかった。どう打ち取ろうかと必死で考えた」。4番のスピアーズを何とか空振り三振にとると、5番打者のカウントが1-1になったところで審判の決断に救われた。グラウンドコンディションを心配した球審から「投げられるか?」と聞かれると、上野は即座に「無理です」と答え、試合は降雨中断に入った。
「足場さえしっかりすれば、投げられる自信はあった。グランドキーパーには、余計に滑るので、あまり土を入れないで欲しいと言った。三振しかないと監督に言われ、プレッシャーだったが…」と上野。試合が再開されると、この窮地を見事に連続三振で凌いだ。
7回までに96球を投げて4安打無失点。3回2死二、三塁で山崎の内野ゴロと、その後の一塁悪送球で転がり込んだ2点のリードを守り抜いた。6戦全勝でB組首位を守った日本。試合後、上野は「あとはオーストラリアにしっかり勝って、予選を1位で通過したい。日本の強さをアピールしたい」と意気込んでいた。
(細野能功 / Yoshinori Hosono)