大谷翔平相手には“ルール違反”も辞さず LA実況も納得したCY賞投手の作戦「スマート」

敵地でのDバックス戦に出場したドジャース・大谷翔平【写真:荒川祐史】
敵地でのDバックス戦に出場したドジャース・大谷翔平【写真:荒川祐史】

3回1死からバーンズが牽制→一走が二塁へ進んだ

■Dバックス 3ー0 ドジャース(日本時間11日・フェニックス)

 ドジャース10日(日本時間11日)、敵地のダイヤモンドバックス戦に0-3で敗れた。前日は大谷翔平投手の劇的な12号で14-11の大乱戦を制したが、この日はサイ・ヤング賞投手のコービン・バーンズの前にゼロを並べた。焦点になったのは3回の大谷の打席か。LA放送局も注目している。

 両軍無得点の3回2死一塁、打席には大谷が立った。一塁走者は俊足のキム・ヘソン。2023年から、メジャーリーグではマウンド上で1人の打者と対峙している間、投手が牽制できるのは2度までに制限された。3度目は塁上にいる走者をアウトにしない限り、ボークになる。それでも、バーンズは牽制を投げ込み、最終的には申告敬遠で大谷を歩かせた。

 その後ベッツが右飛に倒れ、ドジャースは好機で無得点。そのまま敗れることになった。地元放送局「スポーツネット・ロサンゼルス」では、大谷vsバーンズの第2打席が話題となった。

 実況のスティーブン・ネルソン氏が「3つ目の牽制です。失敗したので、キムは二塁に進塁します。2つ目の牽制の後は刺さないと、走者は進塁してしまいます」と状況を伝えると、解説のエリック・キャロス氏も「悪いプレーじゃないと思います。一塁が空きましたからね。既にオオタニ相手にカウント2-0です。オオタニに打てる球を与えないのは明らかですからね。ストライクゾーンで勝負することはないでしょう」と、バッテリーの思惑を読んだ。

 キャロス氏は「『牽制してみて、失敗してしまった』という感じのプレーではありません。ダイヤモンドバックスはスマートなプレーをしました。カウント2-0でオオタニと勝負しないのは明らかですからね。私もオオタニと勝負をすることを選択しませんよ」とし、“ルール違反”を逆手に取った好判断と称えた。

 実際、試合後に取材に応じたバーンズは「オオタニには打たれるわけにはいかなかったから、牽制でアウトにしようとしたんだ。結果的に(オオタニを)歩かせるつもりだったし、アウトに取れたらラッキーぐらいの感じで」と振り返り、やはり意図したプレーだと明かしている。

(Full-Count編集部)

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