二刀流が生む“記録ラッシュ” 大谷翔平だけの異常事態…125年間で唯一、73年ぶり偉業も

ドジャース・大谷翔平【写真:Getty Images】
ドジャース・大谷翔平【写真:Getty Images】

1回無安打無失点2K…7回に走者一掃の3点三塁打、8回に2ラン

 たった1日で歴史に名を刻んだ。ドジャースの大谷翔平投手は22日(日本時間23日)、本拠地で行われたナショナルズ戦に「1番・投手」で出場し、投打同時出場を果たした。初回を18球で無安打無失点、2奪三振と好投すると、打っても今季26号2ランを含む4打数2安打5打点の大活躍。二刀流として、また新たな記録を打ち立てた。

 大谷は16日(同17日)の本拠地・パドレス戦で、約663日ぶりに投手として復帰。中5日で迎えたこの試合で、さっそく記録が生まれた。MLB公式のサラ・ラングス記者によると、「同一シーズンに2試合以上登板し、かつ10本塁打以上を記録した選手は、ドジャースの歴史で2人目」だという。1人目は2023年のエンリケ・ヘルナンデス内野手(4登板・12本塁打)。大谷はこの試合前の時点で25本塁打を記録しており、“10HR&2登板”の条件を満たした。

 大谷は1回を無失点に抑えた後、第1・第2打席は三振に倒れたが、第3打席は四球。無死満塁で迎えた7回の第4打席では、一塁線を破る走者一掃の三塁打を放った。さらに8回の第5打席では、右腕ルトリッジから左中間へ大飛球を放つ。打球はホームランをキャッチしようとした観客のグラブに当たってグラウンドへ戻ったが、ビデオ判定により二塁打から本塁打に訂正。8試合ぶりとなる一発に、本拠地は大歓声に包まれた。

 26号本塁打には、数々の記録が付随した。ラングス記者によれば、チームとしてシーズン最初の79試合で「1番打者」として放った本塁打数で、大谷の26本は1996年のブレイディ・アンダーソン(オリオールズ)に並び、歴代最多タイとなったという。

 二刀流としても“記録ラッシュ”だ。ラングス記者は、大谷が登板試合で本塁打と三塁打を放ったのは2023年5月15日(同16日)の敵地・オリオールズ戦以来、自身2度目とし、「少なくとも過去125年で、こうした試合を複数回記録したのは彼だけ」と紹介した。さらに米データ会社「オプタ・スタッツ」のグレッグ・ハービー氏によれば、「1901年以降、1試合で本塁打・三塁打を記録し、かつ投手として複数奪三振&無失点に抑えた」のは、大谷と1952年9月1日のジョニー・クリップスタインの2人のみだという。

 投打にわたる大谷の偉業は、現代の記録を塗り替えるだけでなく、過去の功績にも光を当てる。150年以上の歴史を持つメジャーリーグはまさに“記録の宝庫”。埋もれた記録の数々を、大谷が再び脚光を浴びせている。

(Full-Count編集部)

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