大谷翔平の登板後「動揺が見て取れた」 復帰戦を絶賛も…殿堂入り投手が“気になった一幕”

通算213勝&154セーブのスモルツ氏「投手としての彼の大ファン」
ドジャース・大谷翔平投手は16日(日本時間17日)、本拠地で行われたパドレス戦に「1番・投手」で投打同時出場。663日ぶりとなる投手復帰を果たした。1回28球を投げ2安打1失点、最速100.2マイル(約161.2キロ)だった。日米大注目の復活劇。殿堂入り投手のジョン・スモルツ氏はどのように見ていたのだろか。
米放送局「FOXスポーツ」でアナリストを務め、大谷マニアとしても知られるベン・バーランダー氏の米ポッドキャスト番組「Flippin’ Bats Podcast」に、通算213勝&154セーブのスモルツ氏が出演した。バーランダー氏から登板を見たか問われると、「スクリーンの一つにMLB.TVの4チャンネルミックスを出していた。そちらに目を向けて、妻に『OMG、オオタニが投げている』と言ったんだ。妻は『どういう意味? 彼は2年も投げてないのよ』と、訳が分からないようだった」とまさかの“家庭事情”を明かした。
スモルツ氏自身はこれまでも大谷のことを絶賛し、打者よりも投手・大谷に惚れ込んできた。目に入った偉才のマウンド。「私はその画面を出して全球食い入るように見た。彼のことを思うと自分もとても熱くなった」と気持ちの高ぶりは隠しきれなかった。一方で大谷の投球からは「感情が高ぶらないように努力していたことが分かった」と冷静に投げようとしていたと分析している。
そして「彼のピッチングは素晴らしかったと思った。相手はパドレス。私はそうなる(投手復帰戦の相手がパドレスになる)とは思っていなかったが、オオタニの場合は予想外のことが起きるものだ」と、強豪相手に復帰するとは思っていなかったという。
大谷は663日ぶりのマウンドで最速161キロ、平均球速は99.1マイル(約159.4キロ)を計測した。試合後には大谷自身もこれほど球速が出るとは思っていなかったと明かしている。スモルツ氏自身は「全球が100マイルでなくて良かったと思った」。いわく、2度目の右肘手術を受けたことでスピードを出すことによる負荷は良くないと見ているようで、「必要なら使えるが、毎回投げてはいけない」と警告した。
それでも、「私は投手としての彼の大ファンだ。何度も言ってきたしそう信じているが、彼がピッチングだけをすればメジャー屈指の投手になる。それは、決して見ることはない。なのでそれまで、我々はたまたま野球史上最高の選手の一人である、とても、とてもすばらしい投手を見ることになる」と賛辞を惜しまなかった。
また、スモルツ氏は降板後の“一幕”に注目した。大谷は投球を終えると、ベンチに下がることなくバッティンググラブやすね当てなどのギアを装着し、その裏の先頭打者として打席に向かった。さすがの忙しさに「彼の動揺が見て取れた」といい、「こういうことに再び慣れなければならない。そして、5イニング投げられるようになるまでには少し時間がかかる」と見ているようだ。
大谷は打者としてもリーグトップの本塁打数を誇り、欠くことができない存在。それゆえに、メジャーでの“本番”を通してリハビリを行うという異例とも言える起用法が求められている。スモルツ氏は「(大谷の登板は)非常にうまく組まれると思う。そして、オールスターゲームの前に彼がこうしたストレスを経験できるのはすばらしいことだ。オールスターブレークで少し休んで、後半戦から強度を上げていくかもしれない」と今後の展望を明かした。
(Full-Count編集部)