緊迫した大谷会見「死人が出るぞ」 一時退出命令も…異次元の16分は「今年もヤバかった」

大谷のオールスター会見にメディア殺到、テレビカメラ8台&メディア100人が集結した
今年もとんでもない熱気だった。ドジャース・大谷翔平投手のオールスター前日会見。日米メディアが殺到し、テレビカメラ8台、約100人の報道陣が取材ブースを取り囲むように陣取った。ただ、あまりの多さに関係者がメディアへ一時退出命令。「え? どういうこと?」。場内は騒然となった。
大谷の生声がハッキリ聞これる位置に行き、iPhoneで音声を録音する――。質疑はもちろんだが、大谷取材の重要ミッションは、いわゆる“場所取り”。大谷の出場するオールスター戦は5年連続で取材させてもらっているが、毎回毎回が“おしくらまんじゅう”の争奪戦だ。
例年は報道陣の待機場所から大谷のブースへダッシュするのだが、今回、約100人のメディアが退出を命じられたのは会見場の2階。階段の横幅は10メートルほどしかなかった。「オオタニの会見が始まったらドミノ倒しが起きる。死人が出るぞ」。メディア関係者の発言には妙にリアルを感じてゾッとしたが、メディアが会見場を退出する間に「あれ、タティスJr.がもう話している」。いつの間にかナ・リーグ選手たちの会見が始まり、大谷以外の取材をするメディア関係者が徐々に会見場へ。大きな事故がなかったのは何よりだった。
大谷の取材ブースが再びメディアに開放されると、また、あっという間に人垣ができた。ア・ナ両リーグとも選手の取材時間は45分だったが、大谷は序盤に地元放送局のインタビューに対応。取材ブースには、なかなかやって来なかった。空っぽの取材ブースを取り囲む日米メディア。そんな微妙な12分後に、ようやく大谷取材が始まった。
オールスター前日会見の話題は幅広く、シーズン中は聞けないプライベートな質問もOKだ。今年4月に長女が誕生したばかり。「あまり野球を家に帰って持ち込みたくない。基本はグラウンドはグラウンド、家庭は家庭でと考えたいと思っている」と語っていたが、パパの顔をもう少し知りたかった。だが、なかなか切り出すタイミングが来ない。「基本的には午前中にお風呂に入れたりとか。あとは帰ってきた後は僕が面倒を見る感じなので、時間帯によってですね」。こう明かしたところで、ドジャース広報が「No、No、No」。日本メディアの質問時間はタイムアップとなった。
日本メディアの後に米メディアの質問タイムとなった。「ルックスもいい。モデルになりたいか?」。米メディアから最後の最後に飛び出した珍質問には「いや、野球選手として頑張ります」と苦笑い。これで計16分10秒の会見は終了となった。「今年もヤバかったね」。異次元の注目度を集める大谷会見は、今やオールスターの“風物詩”になっている。
(小谷真弥 / Masaya Kotani)