大谷翔平は「異常な選手」 二刀流は“弊害”も…殿堂入り右腕が激白「みんな分かってない」

ドジャース・大谷翔平【写真:ロイター】
ドジャース・大谷翔平【写真:ロイター】

通算213勝&154セーブのスモルツ氏が語る二刀流の難しさ

 ドジャース・大谷翔平投手は今季、663日ぶりに投手復帰を果たし、6月以降は二刀流としての姿を見せている。大谷が投手に専念すれば、史上最高のピッチャーになるなどと語ってきた殿堂入り投手のジョン・スモルツ氏。米番組に出演し、打者であることの“弊害”を指摘した。

 スモルツ氏は15日(日本時間16日)に行われたオールスター戦で解説を務めた。本戦直前には米放送局「FS1」の番組「First Things First」に出演し、大谷について言及した。司会者から「『ショウへイ・オオタニが投手に専念すれば球界最高の投手になる』と。彼が打者を続ける以上、投手としての潜在能力は何%失われますか。そして、彼が打者もすることで、他の投手全員が手に入れているもので彼が失うものはなんでしょうか」との質問を受けた。

 通算213勝&154セーブを挙げ、そのキャリアでトミー・ジョン手術も経験したスモルツ氏。その言葉は非常に重みがあった。

「彼には一瞬でも無駄にするような余裕はありません。彼は日々多くのエネルギーを投入している。先発投手は中4日の間は、少しはやることがありますが、5日目に向けて休養するものです」と一般的なルーティンを説明し、「登板間にさほどやることがないほうが5日おきに成功を納める可能性がかなり上がります」とし、先発投手は次のマウンドまでに極力“他のこと”をしないほうがいいと言う。一方、二刀流の大谷はスモルツ氏と真逆だ。

「打撃練習をしたりスカウティングレポートを見返したり、打席に立ったり、自打球を足や膝に受けたり……レギュラーで出場すれば体を傷めて疲弊する要素がたくさん出てきます」と危険なことしかない。それゆえ、スモルツ氏は「彼は異常な選手です。そして彼が異常な投手であるためにそれ(打者であること)がどれだけ弊害になるか、みなさんは分かっていない」と指摘した。

 同氏は以前から“投手・大谷”に惚れ込んできた。それゆえ「こんなものを我々は二度と見ることはないし、私が今言ったことを見ることも決してありません。ですが、(打者もやることで)彼の偉大さのかなりの部分が奪われることになる」と言葉を強める。「例えば彼が打撃スランプに陥ったとしましょう。それをマウンドで引きずることはできない。例えば投手としてスランプに陥っても、それを打席で引きずることはできない」と、投打をこなすことのデメリットを強調する。

 そして「彼は常に何か考えていて、1日も欠かすことなく日々何かをするようにプログラミングされている。それも、ひとつの芸をするためだけではありません。彼は2つのことを超一流のレベルでこなす人なんです」とし、大谷の“異常さ”に脱帽した。打者としても投手としてもあまりに凄すぎるゆえ――大谷でしか起こりえない“議論”に、殿堂入り投手すらも困惑しているのかもしれない。

(Full-Count編集部)

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