大谷翔平は「ばかげている」 米OB絶句…1029億円の価値は「60本塁打を打つためではない」

序盤に凝縮された投打二刀流の魅力
序盤だけでも見せ場十分だった二刀流劇場に、米メディア関係者も驚きを隠さない。ドジャースの大谷翔平投手は21日(日本時間22日)のツインズ戦で今季6度目のマウンドに登り、初回にソロ本塁打を打たれるも、直後の攻撃で2ランを放って逆転。この内容にメジャーOBも「ばかげている」とお手上げ状態だった。
同試合に「2番・投手兼DH」で先発した大谷は初回、先頭打者のバクストンに今季初めて本塁打を浴び、1失点の立ち上がりに。しかし、直後の攻撃で無死一塁から35号2ランを放つ“倍返し弾”で逆転。2回と3回のマウンドでは追加点を許さず、3回3奪三振1失点の内容でドジャースの連敗ストップに貢献した。
MLBネットワークの番組「Intentional Talk」は、初回に投手として本塁打を浴び、初回の打席で本塁打を記録したのは1979年のランディ・ラーチ(フィリーズ)以来の記録であると紹介。司会者のシエラ・サントス氏は「これがどれだけばかげたことか、大局的に見て話してください」と述べ、メジャー通算1284安打、170本塁打を記録したコメンテーターのケビン・ミラー氏に話題を振った。
ミラー氏は「ああ……ばかげている」と同調。大谷はまだ投手として完全復活前のリハビリ段階にあるとし、同時並行で打撃でも「映像分析をしなければならないし、プランがなくてはならないし、打つために必要なすべてのことを理解しなければならない」と、日々やるべきことが多くあることに言及した。
そんな中で、投手としても「(バッテリーを組む)ウィル・スミスと同じ理解でいなければならない。ピッチングを再開していて、それも他の誰よりも最高レベルで投げているから。そうでしょう?」と、調整が難しい中で結果を出していることを強調。その上で「彼はメジャーのマウンドでエグい球を投げているんです。球速は100マイル(約161キロ)、そして変化球も。だが今も、この野球というゲームをする彼の姿を見ることは、すばらしいことです」と続け、投手としての完成度の高さを称賛した。
ミラー氏は「そして彼がグラウンド上ですることで、我々が『信じられない』と思うことすべてが、すばらしい。大局的に見るなら、本塁打を打たれた後、打席に入ってグラウンド上で最高の打者になって、同点打か勝ち越し打を狙う……これがオオタニがすることです」と大谷が21日(同22日)に見せたプレーを表現。「だから彼らは(投打の)両方をこなしてもらうために、7億ドル(約1029億円)の契約を結んだ。DHで60本塁打を打つためではなく、(投打の)両方をやるためです。そして今、彼が仕上がってきているのが見て取れます」と熱弁を振るい、投打二刀流が唯一無二の価値をもたらしていることを強調した。
(Full-Count編集部)