伝説のクローザー、マリアーノ・リベラは現役最後のシーズンを飾れるか
リベラの後ろで守るというメジャーリーガーの「夢」
史上最高のクローザーは有終の美を飾れるのだろうか。マリアーノ・リベラの現役生活が、終わりを迎えようとしている。常勝軍団のヤンキースで積み重ねてきた歴代最多のセーブ数は、ついに650を超えた。開幕前にシーズン終了後の引退を表明したリベラの最後の1年には、胸を揺さぶられるようなシーンがいくつもあった。
今季、初めてマウンドに立ったのは4月4日のレッドソックス戦。開幕2連敗でこの試合を迎えたヤンキースは、アンディ・ペティットが8回1失点の快投を見せ、3点差で守護神につないだ。
9回表。リベラがブルペンで準備を始めると、ヤンキースタジアムが早くも盛り上がり始めた。相手の攻撃が終わると、おなじみの登場曲、メタリカの「Enter Sandman」が流れる。盛大なスタンディングオベーション、地鳴りのような歓声の中、背番号42がマウンドに向かって走る姿は、開幕3戦目にして早くもシーズンのハイライトを迎えているかのようだった。
引退への第一歩となった登板は、1点を許しながらも今季初セーブを記録。昨年、リベラが負傷離脱していたため、共に戦った経験がなかったイチローは初めてその背後で右翼の守備に就きながら、投球を見守った。
「いやあ、もういつものペティットからの流れでいいですねえ。ちょっと格が違いますね。はっきりセット(ポジション)で投げるから、僕にははっきりと42が見える。その背中の景色がすごくいいなあ、と」
イチローが感慨深げにそう語ったように、メジャーリーガーにとってリベラの後ろで守るということは、1つの「夢」でもある。