大谷翔平、あまり語られない“三刀流” WBC米国監督が絶賛した自己犠牲の精神「クレイジー」

2024年以降の「Baserunning Run Value」はMLB4位の12.6
【MLB】ドジャース 5ー4 レッズ(日本時間30日・シンシナティ)
大谷翔平は“三刀流”なのか――大谷は今季メジャー最速で100得点に到達。21世紀では誰も達成していないシーズン150得点ペースで本塁に生還している。WBC米国代表の監督を務めるマーク・デローサ氏は「全てができる選手」「クレイジー」とし、打撃とピッチングに加えて“もう一つ”の武器に注目した。
米スポーツ局「MLBネットワーク」は29日(日本時間30日)、自社X(旧ツイッター)を更新し、「ショウヘイ・オオタニ=エリートな打者 ショウヘイ・オオタニ=エリートな投手 ショウヘイ・オオタニ=エリートな走者」と綴った。野球専門の米データサイト「ファングラフス」算出の「Baserunning Run Value(総合走塁価値)」を併記し、2024年以降で大谷はメジャー全体4位の12.6をマークしているという。
同指標は盗塁、進塁、走塁死など、走塁に関わるすべてのプレーにおいて、どれだけのチームの得点期待値を向上または低下させたかを示す。大谷は走塁だけで12点以上の利得をもたらしている格好だ。では具体的に何がすごいのか。同局に出演したデローサ氏が事細かく解説した。
同氏は「彼は今まで私が見てきたなかで、一番の才能を持った選手です。マウンドでは100マイルを投げ、スライダーの変化量が大きく、本塁打まで打てます。全てができる選手です。クレイジーです」とした上で、先日に米野球殿堂入り式典でイチロー氏が話した「小さなことが大事」との言葉を引用し、大谷の今シーズンの得点シーンの映像を分析した。
デローサ氏は「家にいる少年少女たち。コーチに第2リードをするように言われていると思いますが、(大谷も)2回シャッフルした後、ゴーしています。そして、ベースの内側を踏むようにしています。完璧ですね。ジェフ・バグウェルも言っていましたが、三塁を回る時、右足でベースの内側を踏むことで、ベースをちょっとしたトランポリンのように使って加速しています」と注目。また、別の試合のシーンでも「ベースの真ん中を踏むのではなく、内側を踏んでいます。なので、減速することはありません」と解説した。
さらに、他の試合でも生還できるか微妙なシーンがあったが、三塁コーチのディノ・イーベル氏が迷わず腕を回している場面にフォーカス。「もしかしたら、左翼手の肩が弱いことを知っていたので、回したのかもしれません。それか、ショウヘイ・オオタニが球界一の走者だからかもしれません」と、大谷の脚と技術ゆえにためらいがなかったのでは、と推察した。
続けてデローサ氏は「(このシーンでも)ベースの内側を踏んでいます。(イチロー氏も言っていた)小さなことなんです。チームメートの為にいい走者になるということは、野球において最も自己犠牲と言える行為です」と称賛を惜しまなかった。
大谷は昨季リーグ2位の59盗塁を記録し、前人未到の「50本塁打&50盗塁」を達成した。指名打者の選手は大半がスピードを生かすことがないが、大谷は別格の才能を見せつけた形となった。投手として復帰した今季もその持ち味は消えることなく、縦横無尽にフィールドを駆け回っている。
(Full-Count編集部)