広陵、甲子園の出場辞退「指導体制の見直しはかる」 7日に初戦突破も…2回戦前に校長が発表

広陵・中井哲之監督【写真:加治屋友輝】
広陵・中井哲之監督【写真:加治屋友輝】

堀正和校長が取材に応じる

 第107回全国高校野球選手権大会に出場している広陵(広島)は10日、堀正和校長が兵庫県西宮市内で会見。今大会の出場を辞退すると発表した。7日に行われた旭川志峯(北北海道)との1回戦に勝ち、14日に津田学園(三重)との2回戦に臨む予定だった。

 広陵をめぐっては今大会開幕後、今年1月に2年生部員(当時)4人が1年生部員(当時)の寮の部屋を個別に訪れ、胸を叩く、頬を叩くなどの暴力を伴う不適切な行為を行い、3月に日本高野連から「厳重注意」の措置を受けていたことが判明した。

 日本高野連などの主催者は、広陵の今大会出場の判断に変更はないとしていたが、その後、学校側は元部員から別の事案でも訴えられていた。

 これを受け、広陵は9日に緊急理事会を開いて出場辞退を決定。「事態を重く受け止め、本大会への出場を辞退したうえで、速やかに指導体制の抜本的な見直しを図ることにいたしました。現在、第三者委員会などで調査していただいている事案につきましては、全面的に協力してまいります」とコメントを発表した。

 一方でSNSで拡散されている情報については「事実と異なる内容、憶測に基づく投稿、生徒の写真等を報道等から盗用した投稿、関係しない生徒への誹謗中傷も見受けられます」と説明。「生徒及び職員の名誉と安全を保護するためにも、このようなことがないよう、何卒ご理解賜りますようお願い申し上げます」と伝えた。

 会見で堀校長は「われわれは、いかなる暴力も認めないという方針を掲げてまいりましたが、今日の事態を招いたことは誠に遺憾で、忸怩たる思いです」と謝罪。「新しい事実が発覚したわけではありませんが、今後も第三者機関の調査に積極的に協力してまいります」と述べた。

 また、「SNSなどで大きな反響があり、まだ調査結果が出ていない案件についても誹謗中傷を受けており、大会の運営にも大きな支障をきたしていると考えました。また、本校の生徒も登下校時に誹謗中傷されたり、寮への爆破予告がなされ、辞退に踏み込むことを決定しました」と辞退に至った背景にも言及した。

(Full-Count編集部)

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