高野連会長、出場辞退は「ひとつのケジメ」 緊急会見で説明…大会会長「誹謗中傷は慎んで」

記者会見で説明をする寶馨副会長(左)と角田克会長【写真:加治屋友輝】
記者会見で説明をする寶馨副会長(左)と角田克会長【写真:加治屋友輝】

2回戦で対戦予定だった津田学園は不戦勝に

 第107回全国高校野球選手権大会で1回戦を勝ち上がった広陵(広島)が出場辞退したことを受け、日本高等学校野球連盟の寶馨(たから・かおる)会長(大会副会長)と、朝日新聞社の角田克社長(大会会長)が10日、兵庫県西宮市内で記者会見を開いた。角田氏は「大変残念ですが、学校のご判断を受け入れさせていただきました。関係者の皆様にご迷惑をおかけしておりますことを深くお詫びいたします」と陳謝した。

 広陵をめぐってはSNS上で、今年1月に当時2年の部員4人が当時1年だった部員の寮の部屋を個別に訪れ、胸を叩く、頬を叩くなどの暴力を伴う不適切な行為を行い、3月に日本高野連から3月に「厳重注意」の措置を受けていたことが判明。

 日本高野連では、出場停止処分などを伴わない「厳重注意」については、未成年者保護などの観点から公表しないルールを設けており、今回の事案も公表していなかった。

 ただ、それ以外にも暴力などの被害を受けたとする情報が、大会開幕前後からSNSで拡散されていた。中には真偽不明の情報も含まれていることに対し、角田氏は「SNSなどで個人を特定し、事実かどうかわからないことを基にした誹謗中傷はくれぐれも慎んでいただきたいと思います」と求めた。

 また、高校野球に対するイメージの悪化について問われると、角田氏は「確かにあるかなと思いますが、多くの高校野球を一生懸命やっている皆さん、今回の選手権大会で頂点を目指している皆さんの多くは、こうしたことと無縁であると私は確信しております。高校野球の存在意義は変わらずにあると思っています」と強調。寶氏は「こういうことが発生してしまう土壌、原因をなくしていかなければならない。学校としてはひとつのケジメとして、こうした対応を選ばれたのかなと思います」と述べた。

 全国高校野球選手権大会で大会開幕後の出場辞退は2021年、新型コロナウイルスの感染拡大で、宮崎商が初戦(2回戦)を前に、1回戦を勝ち抜いた東北学院が2回戦を前に辞退したことがある。不祥事によるものは今回が初めて。14日の2回戦で広陵と対戦予定だった津田学園(三重)は不戦勝となった。

(Full-Count編集部)

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