左手の指がなくても…甲子園で2安打躍動「勇気、希望を与えたい」 SNSでメッセージも、県岐阜商・横山

日大山形戦に出場した県岐阜商・横山温大【写真:加治屋友輝】
日大山形戦に出場した県岐阜商・横山温大【写真:加治屋友輝】

「7番・右翼」で出場した県岐阜商・横山温大

 第107回全国高校野球選手権は11日、大会第6日目が行われ、第1試合で県岐阜商が日大山形に6-3で勝利した。「7番・右翼」で出場した横山温大(はると)外野手は、5回には甲子園初安打となる同点適時打、8回にも左前打を放ち、4打数2安打1打点の活躍を見せた。試合後には「嬉しかったです。打てて気持ちよかった」と、聖地で生まれた安打に笑顔を見せた。

「甲子園はいっぱいお客さんがいて、ワクワクしました」。1点ビハインドの5回、1死二塁から4球目を捉えると、痛烈打球は一二塁間を抜けて右前へ。二走が生還して同点に追いついた。8回先頭の第4打席では逆方向へはじき返し、初の甲子園で2安打の躍動を見せた。

 横山は生まれつき左手の指がないものの、名門校で活躍。守備の際は右手にグラブをはめ、送球の際にはグラブを左脇に抱えて右手で投げた。この日は貴重な同点打に、チーム唯一のマルチ安打の活躍。「勇気、希望を与えていきたい」と次戦の活躍も誓った。

 岐阜大会の決勝、帝京大可児戦では3安打3盗塁を記録するなど、6試合全てで安打を放ち、同大会では19打数10安打と大活躍を見せていた。SNSでは同じ背景を持つ人たちからのメッセージを受け取ったといい、「やってきてよかった」と話した。

 藤井潤作監督は横山について「今日もやってくれるという思いで見ていました。ますます頼もしくなったと思います。こうして取材もたくさんしていただくようになって、彼も疲れが出るのかなと思っていましたが、これだけいいところで打ってくれるので、すごい成長を感じます」と目を細めた。

(Full-Count編集部)

RECOMMEND

KEYWORD

CATEGORY