甲子園で3選手が足をつる事態…暑さだけじゃない 選手らが直面した“もう一人の敵”

足をつり途中交代した関東第一・越後駿祐【写真:加治屋友輝】
足をつり途中交代した関東第一・越後駿祐【写真:加治屋友輝】

関東第一の選手3人が足を攣る事態となった

 第107回全国高校野球選手権は13日、大会第8日目が行われ、第2試合で関東第一(東東京)が中越(新潟)と対戦し6-1で勝利した。快勝の裏で6回と7回に計3人が足をつるアクシデント。これまで起きなかった事態に米沢貴光監督は「決して暑さだけではないと思います」と選手への負担に言及した。

 兵庫県に熱中症警戒アラートが発令される中での試合となった13日。気温もどんどん高くなった第2試合では、関東第一が2点をリードした6回、守備に就こうとした越後駿祐主将(3年)が足をつり途中交代した。

 7回には、藤江馳門内野手(3年)が四球で出塁するも、一塁まで行ったところで足をつり、おんぶされて途中交代。さらに1死二、三塁から遊ゴロを放った大沢歩夢外野手(3年)が、一塁へ走り出した瞬間に両足をつり、一塁ベースまで半分のところで立ち止まり、チームメートにおんぶされてベンチに戻った。

 甲子園では7日に予定されていた午前2試合と、10日の全4試合が雨天順延。ここ数日、小雨が降ったり曇り空が広がったり、比較的涼しい日が続いていた。熱中症が危惧される酷暑の夏においてありがたいことではあるが思わぬ“弊害”もあった。米沢貴光監督は「今日急に暑くなったので。ある程度予想はしていたのですが……。やはり緊張もありましたし」と気温の変化に対応する大変さを口にした。

 7回に足をつった大沢はどんなに暑い日の練習や試合でも足をつることはなかった。だがこの日は「いつもより汗が出るなという感じでした」と体の“異変”には気づいていた。さらに「昨日まであまり暑くなくて、雨も降っていて涼しい部屋にいることが多かったり、室内練習も多かったりしたのも影響しているかなと思います」と語り、涼しさへの慣れの反動が少なからずあったのではないかと予想した。

「タイムをかけて相手チームに申し訳ないことをしました」。試合後、大沢は相手への謝罪の気持ちと「後から出る選手が思い切ってやってくれた」と仲間への感謝を語った。

(木村竜也 / Tatsuya Kimura)

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