甲子園“史上最遅”でも…2部制になぜ賛成? 批判の声も、名将が語った「最高の思い出」

沖縄尚学戦で指揮した仙台育英・須江航監督【写真:加治屋友輝】
沖縄尚学戦で指揮した仙台育英・須江航監督【写真:加治屋友輝】

仙台育英・須江監督、甲子園の“新制度”に「どんどんチャレンジするべき」

 第107回全国高校野球選手権は17日、大会第12日目が行われ、第1試合で仙台育英(宮城)が沖縄尚学と対戦。延長11回までもつれた激戦だったが、タイブレークの末3-5で敗れた。試合後、甲子園で進められる2部制やDH制などの新たな取り組みについて須江航監督は「新しい事はどんどんチャレンジするべきだと思います」と語った。

 ベスト8をかけた一戦は両エースが熱投を見せた。仙台育英の先発・吉川陽大投手(3年)は11回を151球、沖縄尚学の先発・末吉良丞投手(2年)は11回を169球で投げ切った。試合はタイブレークで仙台育英が守備のミスから勝ち越しを許し、裏の攻撃でも末吉から点を取れず試合終了となった。

 試合後、須江監督は「100点や200点では足りません。数字では形容できません」とエースを絶賛。続けて「甲子園でしか学べない事がある。将来に向けて大きな学びを貰いましたね、全員が」と笑顔で振り返った。

 さらに2部制など新たな取り組みについて尋ねられると「新しい事はどんどんチャレンジするべきだと思いますのでDH制然り、何でもやってみて判断すればいいと思いますから。それが人生のスタンスでもありますし」と語り、賛意を示した。

 昨年から酷暑対策として、最も気温が上がる時間帯を避けるため、「午前の部」(第1、第2試合)と「夕方の部」(第3、第4試合)の2部制が導入された。8日の大会第4日に行われた、綾羽(滋賀)と高知中央の試合では、終了時間が甲子園“史上最遅”を記録する事態となった。

 同日は雨による一時中断の影響もあり、試合再開は午後6時21分頃。さらに延長戦で試合時間自体も長くなり、終了時間が午後10時46分となっていた。原則的に、午後10時を過ぎた場合は新しいイニングに入らず、決着がつかなければ継続試合となることが決まっていたが“異例”の判断が下されていた。

 新たな取り組みが始まる分、懸念点も生まれる。それでも須江監督は「夜遅いと批判の声があることは百も承知なんですけど、そんな軽いこと言うなと怒られちゃうかもしれないですけど……」と前置きしつつ「人生最高の夜ふかしですよ。夏休みに友達と夜ふかししたんだっていう最高の思い出じゃないですか。だから僕は肯定的に考えています」と持論を語った。

(木村竜也 / Tatsuya Kimura)

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