7.9%→26%に激増 調整球のはずが…大谷翔平が復活勝利で見せた“進化”

5回9奪三振2安打1失点で今季初勝利、カーブが決め球となった
【MLB】ドジャース 5ー1 レッズ(日本時間28日・ロサンゼルス)
ドジャースの大谷翔平投手は27日(日本時間28日)、本拠地・レッズ戦で5回9奪三振1失点で今季初勝利を挙げた。エンゼルス時代の2023年8月9日の本拠地・ジャイアンツ戦以来、749日ぶりに勝利投手となった。
驚かせたのは配球だ。2年ぶりの投手復帰後、ほとんど投げていなかったカーブを多投。全87球のうち23球。前回登板までの球種割合で7.9%だったが、この日は球種別では最も多い26%を占めた。「もうこの間の登板が終わった後に、今回はカーブをしっかりゲームの中で試したいと思ってました」。それにしても公式戦で“試す”とは恐れ入る。
緩急を使う、打者の目線を外すために有効なカーブだが、大谷にとっては投球フォームや投球バランスを整える球種でもあった。日本ハム時代はスライダー、フォーク(スプリット)が勝負球。フォークの落差を出すため投球フォームを縦振りに、スライダーで横振りになった投球フォームを縦振りに――。投球バランスが崩れ、勝負球のキレが今ひとつな時には、よくカーブを使っていた。
そんな“調整球”はこの日4球空振りを奪うなど威力十分。このドジャース3連戦まで今季メジャーで唯一スイープされたことのなかったレッズ打線が、面を食らったのは間違いない。投手復帰後にフォーシームの平均球速1.4マイル(約2.2キロ)上げてきた大谷だが、その進化には驚かされるばかりだ。
(小谷真弥 / Masaya Kotani)