私服では「億万長者だと気づかない」 同僚が明かす素顔…大谷翔平は「笑わせようとする」

元西武のマキノン氏が語る大谷との2か月
元西武のデビッド・マキノン氏は2022年、エンゼルスに所属し、現ドジャース・大谷翔平投手と共にプレーした。約2か月間だったが、二刀流から受けた衝撃は大きかった。中でも驚いたのは日常の姿のギャップ。「億万長者だとは気が付かない格好をしています。実際には、億万長者なんですがね!」と笑った。
マキノン氏は同年、開幕を3Aソルトレークで迎え、6月にメジャー初昇格。「ロッカールームで彼らと一緒に過ごすことでさえ、クレイジーなことでした! 私はドラフト32巡目の選手でしたから、ここには居てはいけないと思っていたんです」と振り返る。
メジャーデビューを果たした同年6月18日(同19日)の敵地・マリナーズ戦は「6番・一塁」。2試合目の6月22日(同23日)の本拠地・ロイヤルズ戦では4番を務めた。この4番起用は当時のフィル・ネビン監督代行からサプライズで伝えられたものだった。
「『マック、君は今日何番を打つか知っている?』と聞かれ、『ノー……』と、答えたんです」。その後、「4番・一塁 デビッド・マキノン」と書かれたスタメン表を見て驚愕とした。
ネビン監督代行からは「何の問題があるの!? 君は1年間ずっと3Aで4番を打っていたじゃないか」と伝えられた。一方で、「(3Aでは)トラウトとオオタニは私の前を打っていなかったよ!」と当時の心境を苦笑いで振り返る。「私が対戦相手だったら、トラウトとオオタニを敬遠して、私と勝負しますよ!」と思わず自虐していた。

テレビに映ると必ず「笑わせてくる」
8月にDFAとなりアスレチックスに移籍。大谷と共にプレーしたのは約2か月だったが、思い出はたくさんある。「実は面白い人なんです。笑わせようとしてきますね」。エンゼルス時代にもネビン監督に対し、カメラに向かっておどけて中指を立てさせるように仕向けるなどお茶目な一面を見せていた大谷。マキノン氏もそんな二刀流に自然と笑顔になった。
「テレビに映る時は、何が起きても真剣な表情をした方がいいですよね。でも、カメラに映っている時、オオタニは真剣な表情をさせないようにしてきます」
さらに驚いたのは私服姿だった。着飾らない大谷はマキノンには新鮮に見えた。「黒色の服を着ていることが多かったです。派手ではなかったですよ。億万長者だとは気が付かない格好をしています。実際には、億万長者なんですがね! オオタニだと気が付かない格好をしていました」。
マキノン氏は大谷を「他人より野球が格段と上手い、普通な人」と表現する。共にプレーした期間は少なかったが、助っ人のキャリアに大きな影響を与えていた。
(川村虎大 / Kodai Kawamura)